おとのほそみち

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山下達郎サンデーソングブック2023年1月22日『ウサギで棚からひとつかみ』

番組中の曲の解説部分を要約して記しています(青字は書き起こし)。ネット上の音源を張っていますが、オンエアされたものとは異なる場合があります。

 

1. RAINY WALK / 山下達郎 "ムーングロウ" '79
2. BLUES JUMP THE RABBIT / JOE TURNER '53
3. WHITE RABBIT / JEFFERSON AIRPLANE '67
4. BUNNY / JOHNNY CYMBAL '61
5. HEY, HEY BUNNY / JOHN FRED & HIS PLAYBOY BAND "PERMANENTLY STATED" '68
6. BRIGHT EYES / ART GARFUNKEL "WATERSHIP DOWN OST" '78
7. BUNNY HOP / RAY ANTHONY '52
8. THE YOUNG RABBITS/JAZZ CRUSADERS '52
9. ピーターラビットとわたし / 大貫妙子  '82

 

今年は「うさぎ年」でございます。
ここんとこ、「干支で棚からひとつかみ」というのをやっておりますが、ウサギはまだやったことがありません。
三十年の歴史で「ウサギで棚からひとつかみ」を本日はお届けしたいと思います。
なかなかオーダーしたものが入ってきませんで、せっかくオーダーしたのに「在庫ありません」みたいなのがありまして。
ヒヤッとしましたが、一週分は整いました。
二週間やりたいと思ってるんですけども、来週までに届けば二週間やりますが、ダメだと一週間で挫折するかもしれません。
がんばっていきたいと思います。

ここのところ、訃報が相次いでおります。
先週もジェフ・ベックの話題を取り上げまして、デヴィッド・クロスビーの訃報が入ってまいりましたが、なんと高橋幸宏さんがご逝去されました。
幸宏さんは私と全く同じ、同い年の人で、同世代の方であります。
レコーディングもコーラス等、参加させていただきました。
ライブも随分一緒にやらせていただきました。
幸宏さんは日本の我々の世代の代表的なドラマーであります。
とっても素晴らしいテクニックをもったドラマーであります。
ので、そこら中で多分追悼番組というようなものがあると思いますので、日を改めてという感じですが。
私個人の作品ですと、79年のアルバム『MOONGLOW』に入っています「RAINY WALK」
これの演奏していただいております。
この「RAINY WALK」ってのは元々その年のアン・ルイスさんのアルバムをプロデュースした際に書き下ろした曲なんですけれども、アウトテイクになってしまいました。
でも、曲が気に入っていたので、原盤を買い取って自分のアルバムに入れました。
ですので、その当時のアン・ルイスさんのレコーディングメンバーであります、高橋幸宏さんドラム、細野晴臣さんべース、佐藤博さんキーボード、そして松原正樹さんのギター、で演奏されております。
心よりご冥福をお祈りしつつ。
RAINY WALK / 山下達郎


まずは私が生まれた年1953年の作品。
ジョー・ターナー、ビッグ・ジョー・ターナーはR&Bの大御所。
いわゆるジャンプ・ミュージックの時代で「Blues Jump The Rabbit」という一曲を。
全盛期の歌唱なので素晴らしいが、原盤がもうほとんど存在しない。
マイナーレベルから出たやつなので、私もお皿がない。
コンピにも入っていないので、今日はいわゆる配信データから。
音質が若干あれだが、まあ、かかるだけいいだろうと。
BLUES JUMP THE RABBIT / JOE TURNER


「うさぎ」「ラビット」のタイトルが我々の世代で一番有名なのは、ジェファーソン・エアプレインの1967年のセカンド・アルバ「Surrealistic Pillow」からのシングルカットで、1967年、全米8位の「ホワイト・ラビット」。
私たちの世代で知らない人はいない、ロック・ファンで知らない人はいないという曲。
いわゆるドラッグ・ソングというかトリップ・ソングと言うか。後は「不思議の国のアリス」のエピソードとか。
曲を作ったグレイス・スリックは、これをマイルス・デイヴィスの「スケッチ・オブ・スペイン」からインスピレーションしたとか、そういう神話と伝説に包まれた一曲。
WHITE RABBIT / JEFFERSON AIRPLANE

 ウサギを指すのにバニーという英語があるが、思い浮かぶのはバニーガール。
そういうネタだと、一番最初に思い浮かぶのは、私の好きな曲で、ジョニー・シンバルが「ミスター・ベースマン」で売れる前の1961年のM.G.M時代のシングル。ヒットはしてないが。
BUNNY / JOHNNY CYMBAL


次はジョン・フレッド・アンド・ヒズ・プレーボーイ・バンド。
67年の大ヒット「ジュディ・イン・ディスガイズ」で有名だが、この後に出されたセカンド・アルバム「Permanently Stated」からのシングルカット。1968年、全米57位。
すばらしい演奏力を持った、すばらしいロックンロール・チューン。
HEY, HEY BUNNY / JOHN FRED & HIS PLAYBOY BAND 


バラードが少ないので、これがいいかなと。
イギリスの児童文学で『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』というウサギの冒険の話が、1978年に映画化された。
これのサウンド・トラックで、歌っているのがアート・ガーファンクルの主題歌。すてきな一曲。
BRIGHT EYES / ART GARFUNKEL


ウサギで有名な曲の一つで、1952年、Ray Anthony & His Orchestraの曲。
Ray Anthonyはトランぺッターで、グレン・ミラーとかそういうところで活躍した。
自分のオーケストラを持って、自分のテレビ・ショーを持って大変な人気を博したが、彼の1952年のヒットソング「Bunny Hop」。
バニー・ホップというダンスが、やはりテレビで大変ヒットした。
後に坂本九さんがヒットさせた「ジェンカ」のネタ。
BUNNY HOP / RAY ANTHONY


今度はジャズで、ジャズ・クルセイダーズ、後のクルセイダーズ。
初期のレコーディングで、1962年のアルバム「Lookin’ Ahead」に入っている「The Young Rabbits」。
こういうインストは、タイトルはもうなんていうか思いつきと言うか、あまり深いことは考えずに。
ここからずっと先、クルセイダーズはものすごく有名になる。
THE YOUNG RABBITS/JAZZ CRUSADERS


今日の最後は大貫妙子さん。大貫さんといえば、この曲「ピーターラビットとわたし」。
アルバム「Cliché」は、1982年の名盤。
ピーターラビットとわたし / 大貫妙子


<了>