おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック2022年5月8日『棚からひとつかみ』

達郎氏による曲の解説部分を要約して記載しています(青字部分は書き起こし)。ネットに楽曲データがあるものは張り付けていますが、オンエアされた音源とは異なる場合が多々あります。

1. DREAMING GIRL / 山下達郎 '96
2. WILD THING / THE TROGGS '66
3. I'M HEAVEN / TOUCH OF CLASS '75
4. LET A WOMAN FLOW / IT'S A BEAUTIFUL DAY "MARRYING MAIDEN" '70
5. MUSKRAT CANDLELIGHT / WILLIS ALAN RAMSEY "WILLIS ALAN RAMSEY" '72
6. STARDUST / SPANKY & OUR GANG "LIKE TO GET TO KNOW YOU" '68
7. PAPER DOLL (LIVE) / 山下達郎 "2019/11/12 LINE CUBE SHIBUYA"

 

ゴールデンウイークも今日で終わりでございます。
また日常が戻ってくる。
一抹の寂しさがにじむ日曜日ではないかと拝察いたしますがですね。

私はもう、このゴールデンウイークの1週間は、取材、取材、取材、取材、ずーっと取材で。
普段でしたらニューアルバム出るときにですね、いろいろ地方都市に行ってプロモーションしまして。
北は北海道から南は九州まで。
こういう時代でございますので、全部東京から電話もしくはネット、そういうものでですね。

11年ぶりのアルバムでありますので(笑)
ずいぶん顔ぶれが変わって、お若い方が増えている。
はじめての方が、たくさんいらっしゃいます。
そういうこともありまして、なかなか、大変でございます。
なので、東京のスタジオでずーっと1週間、べったりこもって、やっておりまして。

今週からいよいよコンサートのリハーサルが始まります。
取材が終わった次の日からリハーサル。
82、3年以来、ついぞありませんでした。
この年になって、働けど、働けど、盆も正月もない。ゴールデンウイーク何者。

なので、ひたすら毎日しゃべりまくっているので、活舌が抜群にいいです今日は。
「やましたたつろう」がすぐ言えます!(笑)
で、そんな関係でですね、番組は久しぶりでありますが、ほんとに今日は「棚からひとつかみ」で。
レコード棚見て、うわぁこれこれって
そいで、プレイリスト並べたら、だいたいもう5、6年ぶりにかける曲ばっかり。
自分が好きな曲は変らないんだなって、つくづく思ってしまいました。
今日は全部5、6年前にかけた曲ばっかりで、ほんとうに「棚つか」
で、ちょっとだけリクエスト。頭とお終いだけ。
そういう感じです(笑)
ちょっと、ここでしのいで、ライブのリハーサルに突入しようという感じでございます。
今週は手抜きの棚からひとつかみ。でも、音はいいです。


1996年にNHKの朝ドラ「ひまわり」、松嶋菜々子さんのデビュー作ですけれども。
これの主題歌を、私担当しました。
「ドリーミング・ガール」という作品でおなじみでございますけれども。
5月23日から、この「ひまわり」がNHKで再放送の運びとなりました。
なつかしい想い出でございます。
4月もかけましたけど、いいんです。自分の曲です。
DREAMING GIRL / 山下達郎

 


取材の山に埋もれていて、ライヴのリハが今週からはじまるのでいちばんテンパってるとき。
こういうときの「棚からひとつかみ」、きょうは本当に棚つか。
そういうときは必ずUKロックが頭にくる、性みたいなものと言おうか。
ザ・トロッグスのあまりにも有名な、1966年の全米NO.1、UK2位の「WILD THING」。
のちにジミ・ヘンドリックスがカヴァーして世界的に有名曲となった。
でも当時は歌詞に問題があり放送禁止になった。今では考えられない世界。
作曲のチップ・テイラーは3コードのリフがたくさんある。
チップ・テイラーか、「TWIST & SHOUT」のバート・バーンズかというコード。
ひじょうにパンキッシュな演奏なのに間奏がオカリナで、これがかわいい。
今聴いてもグッとくる、私の中学2年のときのヒット曲。
WILD THING / THE TROGGS 


今日も明るめにフィリー・ソウル。
タッチ・オブ・クラスはフィリーの4人組のヴォーカル・グループ。
1975年の同名アルバムからシングル・カットされて全米ソウル・チャート65位「I'M HEAVEN」。
I'M HEAVEN / TOUCH OF CLASS


お次はサンフランシスコ。
60年代後期にサンフランシスコで活躍したバンド、イッツ・ア・ビューティフル・デイ。変わったグループ名だが。
バイオリニストが入ってることで有名なグループ。
セカンド・アルバム『MARRYING MAIDEN』の中の、私の大好きな一曲「LET A WOMAN FLOW」。
LET A WOMAN FLOW / IT'S A BEAUTIFUL DAY

 

 


今度は南部のシンガー・ソングライター。
テキサスの人で、いわゆるテキサス・カントリーの重鎮と言われているが、カントリーだけではなく、クロスオーバー・カントリーといっていいのか、よくジャンルが特定できない不思議な人、ウイリス・アラン・ラムゼイ。
1972年にレオン・ラッセルのシェルター・レーベルからアルバムを一枚出して、それが名盤と謳われている。
それに収録されている曲のほとんどが人にカヴァーされているという不思議な。
なかでもこの「MUSKRAT CANDLELIGHT」という曲は1973年にアメリカがカヴァー。
その後1976年にキャプテン&テニールがカヴァーして全米4位のベストテン・ヒットになった。
これが代表曲。
ベース・ギターを一人で演奏して、そこにレオン・ラッセルがピアノとバイブで絡んでくるという素晴らしい一曲。
MUSKRAT CANDLELIGHT / WILLIS ALAN RAMSEY


お知らせ明けはジャズもののまったりとしたやつが最近の流行り。マイブーム。
スパンキー&アワ・ギャング、私の大好きなグループ。
1968年のセカンド・アルバム『LIKE TO GET TO KNOW YOU』に入ってる「STARDUST」。
素晴らしいヴォーカル・アレンジ。
STARDUST / SPANKY & OUR GANG

 というわけで最後は「PAPER DOLL」
2019年11月12日、 LINE CUBE SHIBUYAでの、このときのライブは全員でソロの掛け合いをしますのでグルグルまわっておりますが。
長いので、お時間までかもしれません。
PAPER DOLL (LIVE) / 山下達郎 

<了>