おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック 10月13日「リクエスト+棚からひとつかみ」書き起こし

 

達郎氏による曲の解説部分を書き起こしています。インフォメーションやリスナーからのメッセージは割愛しています。 ネットに音源があるものは張り付けていますが、オンエアされた音源とは異なる場合が多々あります。

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1. 旅のつづき / 竹内まりや
2. JOY / APOLLO 100 '72
3. EVERY BREATH I TAKE / GENE PITNEY '61
4. HOW CAN I GET A WITNESS / R.B.HUDMON '76
5. INSPIRATIONAL PLEASURE / MELLO MOODS '73
6. LET LOVE STAND / MASTER FLEET '74
7. RECIPE(レシピ)[TV SIZE] / 山下達郎 '19
8. 恋は紅いバラ / 加山雄三 '66
9. I CRIED A TEAR / LaVERN BAKER '58
10. DOWNTOWN / TAHITI 80 "FEAR OF AN ACOUSTIC PLANET

 

超前倒しなので、発売直後の竹内まりやさんのニューシングル「旅のつづき」、どうなってるか、全然わかりませんけれども。
今日もお聴きをいただきます(笑)

旅のつづき / 竹内まりや



 


JOY / APOLLO 100 '72
アポロ100はイギリスのスタジオミュージシャンの即席グループです。
トム・パーカーというピアニストが率いているスタジオユニットです。
これ1曲しかヒット曲はありません。全米6位。でもこの頃のイギリスのスタジオミュージックのいいところが出ています。
ドラムを叩いているのがクレム・キャティーニという、トーネドスのドラムからスタジオミュージシャンとして一世を風靡した人であります。
レッド・ツェッペリンに入りそこなったとか、色々逸話があります。
イギリスのスタジオミュージシャンについては、日本にはあまり資料がないのでよくわからないのですが。
私事ですが、この頃お金がなくて、19歳だったので、パチンコ屋さんでシングル盤を取りました。今でも持ってます日本盤を(笑)

 

次のリクエストはジーン・ピットニー。1961年の、フィル・スペクターがプロデュースしたことによって有名です。当時のチャートはそんなに振っていないんですが、42位というスマッシュヒットなんですが、歴史に残っています。スタン・アップルバウム・ストリングスとか要素がたくさんあります。
キャロル・キングとジェリー・ゴフィンの作。

EVERY BREATH I TAKE / GENE PITNEY  '61

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お次は最近買ったアルバム、棚からひとつかみ。
R.B.HUDMON、ハドソンじゃなくてハドモン。ジョージア生まれの黒人男性シンガーですが、12、3歳の頃から歌い始めて、日本では全く知名度がありませんけれども、アトランティックレーベルから何枚か出しています。
最初にチャートインしたシングル、1976年、全米ソウルチャート73位。
76年ですから、アメリカではこの音はもう流行らないという感じですが、マッスルショールズのレコーディングでいい味を出しております。
アルバム「Closer To You」からのシングルカット。

HOW CAN I GET A WITNESS / R.B.HUDMON  '76




棚つかでスイートソウルものをかけると、強烈に反応があります。
そういう季節になってきたのかなという感じがします。
スイートソウルは割と日本人ごのみなので、私は80年代からそんなのばかりかけてます。
今日のは、CDになってなくて、日本では元々かかりませんが、さらにあまりかからないやつ。
メロウムーズ。同名のグループがいくつかありますが、これはフィラデルフィアのグループ。
シングルが2、3枚しか出ていません。これは73年のシングル。B面。
INSPIRATIONAL PLEASURE / MELLO MOODS  '73


女性ボーカルグループだと思いますね。
データは74年になってますが、シングル盤は73年になってます。まあ、よくある話です。A面も良くて「Stop Taking My Love For Granted」。
すごい好きな曲でサンソンで何回かかけたことがあります こちらの方は2回目です。
ニューヨークの男性ボーカルグループで同じ名前のグループがありますが、これは同名の異グループです。

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もう一曲、スイートもの。
こちらはウエストコーストです。カリフォルニアのコンプトン出身の四人組の男性ボーカルグループ、マスターフリート。1974年のシングル。
LET LOVE STAND / MASTER FLEET  '74




TBS系で夜9時から放送が開始されます「グランメゾン東京」、木村拓哉さん主演のドラマです。
これの主題歌を私が担当することになりました。木村君とは16年ぶりの一緒です。
木村拓哉さんがフランス料理のシェフに扮しまして、大人の青春をかけたヒューマンストーリー、とコピーには書いてあります。
木村拓哉さん、鈴木京香さん、玉森裕太さん、尾上菊之助さん、及川光博さん、沢村一樹さん。豪華なラインアップでございます。 
主題歌のタイトルが「レシピ」です。料理のドラマなので、いつもよりちょっとやさしめに作ってみました。ちょっと詞に傾いたつくりです。
まだフルバージョンがかけられないので、今日はテレビサイズでお届けします
RECIPE / 山下達郎  '19



「加山雄三さんの英語の「恋は紅いバラ」にショックを受けた。この曲のリクエストOKですか」というお便りをいただきました。
OKですけれども、ヒットしたのは英語版ではなくて日本語ちゃんぽんです。
1966年、加山雄三さんのシングルカットされました「恋は紅いバラ」。これが弾厚作名義での初の自作シングルです。
これがすごく売れたので、こういった曲をもう曲書けと言われて、これをもとにしてできたのが「君といつまでもで」。300万枚近いヒットになりました。
リクエストを頂いたのでCDをリマスタリングしようと思いましたら、頭のところの音がドロップしてるんですよ。マスターが。
これは駄目だと言うんでアナログに戻って、僕が持っている一番古いベストアルバムに戻ってみましたら、そこでもドロップしてるんです。マスター管理がなってないと。
ですので音がドロップしているのはご勘弁ください。
恋は紅いバラ / 加山雄三  '66

 

次のリクエストはラヴァン・ベーカー。リズム&ブルースの草分けの黒人女性シンガーです。
たくさんヒットがありますが、これは1958年、全米6位。R&Bチャート2位。ミリオンセラーになりました。
この時代に黒人女性シンガーでミリオンセラーになるのは人気がある証拠です。
 I CRIED A TEAR / LaVERN BAKER  '58

サックスはキング・カーティス。
しかしこのトム・ダウドのエンジニアリングは、この時代なのに本当に奥行きがあると言いましょうか、これでレイ・チャールズ聞いて、ジョン・コルトレーンを聞いて、モダン・ジャズ・カルテットを聞いて、 みんな同じ音像をしてます。
アトランティック、素晴らしい。ラヴァン・ベーカー歌上手い。

 

今日の最後は、タヒチ・エイティというフランスのグループがいまして、フランスのグループなのに曲を英語で歌っていたりするんですが、この人たちの新しいアルバムが9月25日に発売になりまして、このアルバムになんと私の「ダウンタウン」が入っています。
かなり日本でおなじみのグループで、どこかのバーかなんかで飲んでいたら「ダウンタウン」がかかって、それを気に入ってレコーディングして、日本盤のボーナストラックに入れたと言うんですけど、これが驚くべきことに日本語で歌っているんです。全部。発音がいいんですよ。しかも。こういうのは珍しいんで。

DOWNTOWN / TAHITI 80 

 

<この項おわり>