1960年代半ば、日本でエレキギターの一大ムーブメントが巻き起こった。
その中心にいたのは寺内タケシや加山雄三だが、そもそもの発端は当然のごとく海外からの“輸入品”で、なかでも最も大きな人気を集めていたのがベンチャーズだ。
1959年にドン・ウィルソンとボブ・ボーグルにより結成。
1960年にリリースしたデビューシングルはパッとしなかったが、セカンドシングル「ウォーク・ドント・ラン」が全米シングルチャート2位、同名のアルバムも11位のヒットになる。
しかし、その後が続かず、チャート的にも低迷するが、なぜか64年の「ダイヤモンド・ヘッド」は日本で大ヒットする。
アメリカでは最高位70位にとどまったにもかかわらずである。
このヒットを引っさげて、ベンチャーズは1965年に来日公演を行う。
62年にも来日しており、65年は2度目なのだが、人気の度合いは全然違っていた。
より正確にいうと65年には2度来日しており、最初は1月に、ベンチャーズと並んで人気が高かったエレキインストバンド、アストロノウツとの共演ツアー。
その内容が話題となり、7月に再来日を果たす。
この7月の来日公演のうち、新宿厚生年金ホールでの演奏をを収録したのが『ザ・ベンチャーズ・コンプリート・ライヴ・イン・ジャパン‘65』で、いまなおエレキインスト屈指のライブアルバムとして高く評価されている。
というのも、このときの来日メンバーが、
ドン・ウィルソン(サイド・ギター)
ボブ・ボーグル(ベース)
ノーキー・エドワーズ(リード・ギター)
メル・テイラー(ドラム)
いわゆる“オリジナル・フォー”と呼ばれる鉄壁のラインアップで、名演奏の連発だったからだ。
特にノーキーのギターは、神ががっているとしか思えない。
収録曲はイントロを含め全29曲。
「ウォーク・ドント・ラン」「パイプライン」「10番街の殺人」「ダイヤモンド・ヘッド」「朝日のあたる家」「キャラバン」「ワイプ・アウト」など、彼らの代表曲が網羅されている。
ベンチャーズのライブアルバムは相当な数があるけれど、なかでもトップランクの出来栄えと言っていい。
フィリピン人司会者ビン・コンセプションのトークが、やや鬱陶しい印象もあるが、それもまた時代の記録である。
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ザ・ベンチャーズ コンプリート・ライヴ・イン・ジャパン’65
- アーティスト: ベンチャーズ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1998/03/28
- メディア: CD
01.イントロダクション
02.クルーエル・シー
03.ペネトレーション
04.ブルドッグ
05.アイ・フィール・ファイン
06.メンバー紹介
07.朝日のあたる家
08.アウト・オブ・リミッツ
09.10番街の殺人
10.ベサメ・ムーチョ・ツイスト
11.ラヴ・ポーション・No.9
12.ウォーク・ドント・ラン′64
13.ウォーク・イン・ザ・ルーム
14.ラップ・シティ
15.ワイプ・アウト
16.ウォーク・ドント・ラン~パーフィディア~木の葉の子守唄
17.悲しき闘牛
18.テルスター
19.ドライヴィング・ギター
20.夢のマリナー号
21.ピンク・パンサーのテーマ
22.イエロー・ジャケット
23.アパッチ
24.パイプライン
25.サーフ・ライダー
26.星への旅路
27.バンブル・ビー・ツイスト
28.ダイアモンド・ヘッド
29.キャラヴァン
近い時期の動画をいくつか張っておく。
ドラムまで含めてほぼ横一列というのが、いま見ると新鮮だ。
<了>