おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也

山下達郎サンデーソングブック 9月1日「納涼夫婦放談Part3」書き起こし

 

曲のエピソードなどの対談部分を書き起こしています。インフォメーションやリスナーからのメッセージは割愛しています。
今回取り上げられた作品「Turntable」は、ネット上に音源はありません。
しかしありがたいことに、達郎氏作のマスターエディットがネットで公開されたので貼り付けておきます。

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1. SUMMER VACATION / 村田和人&竹内まりや
2. DON'T IT MAKE MY BROWN EYES BLUE / 竹内まりや
3. カヴァーズ・オブ・ザ・ビートルズ・マスターエディット・12連発
4. MUSICIAN (IT'S NOT AN EASY LIFE) / 竹内まりや
5. (I LOVE YOU) FOR SENTIMENTAL REASONS / 竹内まりや
6. COMMENT TE DIRE ADIEU~さよならを教えて / 竹内まりや
7. CHE VUOLE QUESTA MUSICA STASERA~ガラスの部屋 / 竹内まりや
8. FOR YOUR LOVE / 竹内まりや DUET WITH 山下達郎


達:ここんところ、ずーっとお届けしております、毎年恒例『納涼夫婦放談』。
今年は竹内まりやさん、デビュー40周年でございます。
9月4日、今週の水曜日に発売が決まりました、40周年記念CD「Turntable」3枚組、全62曲。で、4000円。お手頃価格でございます。
今週は、そのディスク3、最後のお皿のご紹介でございます。
今日も、竹内まりやさんゲストです。
ま:こんにちは、竹内まりやです。今週もよろしくお願いします。
達:昔は1週間だけだったのが、だんだん延びてきて。
ま:今回、3枚組なので。3回もおじゃまさせていただきました。
達:曲が多いので、紹介してもしても、かけてもかけても、という。
で、ディスク3はですね、いわゆる自分の好きな曲。
ま:はい。これは、洋楽カバーをずらっと並べました。
もともとはサンデーソングブックでレーザーカラオケで洋楽をやりたいということで、やったら、いくらなんでも音質が悪いだろうって(笑)
だったら録ろうかなっていうのがきっかけで、いろんなバンドを呼んだり音楽仲間と一緒にセッションして、溜めてきた音源なんですね。
達:そうですね。ですからもう、ほとんど初CD化の音源ばっかりです。サンソンではかけましたけど。
ま:そうですね、25曲中、22曲が。
達:初CD化ですね。
ま:はい。
達:そんなわけで、今週発売が迫りました、40周年記念盤「Turntable」のディスク3を今日はお届けします。竹内まりやさんのカバー・ソングで、いろいろありますので。
ま:たくさんございます。
達:バラエティに富んだ選曲でお楽しみいただきたいと思います。
で、夏の終わりですので、いつもリクエスト頂きます、故 村田和人さん「SUMMER VACATION」。村田和人&竹内まりやのデュオ。

♪ SUMMER VACATION/村田和人&竹内まりや



♪ Don't It Make My Brown Eyes Blue ~瞳のささやき/竹内まりや

ま:ディスク3は全部洋楽のカバーなんですけれども、今お届けしたのはクリスタル・ゲイルの曲のカバーで、 77年のヒット曲です。
達:ミリオンセラーです。
ま:今回ミュージックフェアに出させていただいてこの歌を歌ったんですけれども、佐橋くんにバンマスをやっていただいて。
達:8月の17日。
ま:そうですね。ドラムは島ちゃん、ベースは大仏さん、後は達郎バンドのメンバーに手伝っていただいたんですけれども、緊張しました。
達:よくわからない(笑)
このディスク3は2003年の洋楽のカバーアルバムで「Longtime Favorites」、その延長線ですが。
ま:そうですね。
達:よりなんと言うか趣味趣味と言いましょうか。
ま:「Longtime Favorites」でやれなかった歌がいっぱいあったんで。今回はバンドもの、ビートルズ、イーグルス、ザ・バンドみたいなのを全部入れようかなと。
達:なんといってもディスク3は25曲入りなんですが、そのうち半分12曲がビートルズのカバーでありまして、ビートルズの好きな人は大体カバーをしたがると。ビートルズとベンチャーズはそういうアレですが。
ま:でも1曲が短いんですよね。
達:そうですね。ビートルズはキーが高いので、竹内まりやさんみたいなアルトの人にはちょうどいいんですよね。
ま:そうだよね。
達:男がやるとすごい高いんですよ。女の人がやるとちょうどいいと。
ま:全部オリジナルキーでやってるんで。
達:一緒にやっているのがBOX。
ま:杉真理さん率いるBOXのメンバーとともにレコーディングしました。
達:皆さんビートルズ好きですので。
ま:サンソンでやっているうちにどんどん曲が溜まったんです。
達:エスカレートしますね。全部で12曲あるんですが、とても全部ご紹介できないので、先週のセルフカバーと同じでマスターエディットでお聞きいただきます。

♪ カヴァーズ・オブ・ザ・ビートルズ・マスターエディット・12連発

No Reply/Devil In Her Heart/Drive My Car/Nowhere Man・I'm Happy Just To Dance With You/You're Going To Lose That Girl/The Night Before/One After 909/If I Fell/Your Mother Should Know/This BoyTell Me Why



達:ディスク3から、ビートルズのカバーの12曲をマスターエディットでお送りしました。
ま:上手につないでありますね。
達:曲知らないとできないですよ。
「No Reply」64年、「Devil In Her Heart」63年、「Drive My Car」65年、「Nowhere Man」65年、「I'm Happy Just To Dance With You~素敵なダンス」64年、「You're Going To Lose That Girl~恋のアドバイス」65年、 「The Night Before」65年、「One After 909」70年、「If I Fell~恋におちたら」64年、「Your Mother Should Know」67年、「This Boy~こいつ」63年、「Tell Me Why」64年
ま:やっぱり64年が好きなんだね、私。「マージービートで唄わせて」でもそう歌ってますけどね。
達:そうですね。全盛期ですからね。
ま:ずっと聴いていて、1曲65円は安いなと思いました。
達:(笑)
ま:自画自賛(笑)
達:後は1曲1曲お聞きください、CDで。
ま:ぜひぜひ。
達:リクエストも沢山頂いております。
ま:課外活動は役に立ちましたね。
達:とにかく趣味でございまして、昔からやってて。
ま:昔からやってたやつの代表で、ウエストコーストのシルバーと言う、1枚だけアルバムを出して解散したバンドの「Musician」と言う曲がとても好きで。
達:昔からみんなこれやってるけれども、好きだというのはあるけど、どっから出てきたのかね。
ま:これはアルバムの中の曲でしかないんだけれども、どこで知ったんだろう。あの頃ウエストコーストの新譜が出るとみんなで買ってたから、なんとなくこれはステージでやりたくて弾き語りでよくやったんです。
達:ミュージシャンは辛い職業だっていう歌なんですよ。
ま:悲しい歌なんですよ。これを作曲したブレント・ミッドランドも30代でなくなってしまって。
達:オーバードーズで死にましたね。
ま:そうなんですよ。今回この課外活動では難波さんにオールキーボードを弾いていただいて、私のコーラスでやったんですけれども。
達:みんな身につまされるるんですよ、この歌。本当に。
ま:聞いてください「Musician」。

♪ Musician (It's Not An Easy Life)/竹内まりや

達:Musician、 It's Not an Easy Life。楽な生活ではないと。
ま:悲しみ、痛みをインサイド、中にこもらせながら笑っているみたいな、そういう詞なんですけれども。
達:シルバーの人とクレイジーホースの人、2人ともオーバードーズで死んでしまいました。
ま:切ない歌だよね。76年の曲ですけど。
達:ディスコに移っていくとき、それまでのシンガーソングライターが淘汰されていくという、そういう時代の空気感が出てますよね、この歌に。

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達:このディスク3のですね、かなり重要部分を占めております、今は亡き松木恒秀さん。
彼のですね、いわゆるこれが最後のレコーディングになりました。
ま:ほんとにね。松木さんとは、今回4曲入れてるんですけど。What is HIP?のメンバーと一緒に。この曲が公式の意味でも、たぶん最後のレコーディングだと思うんですよ。
達:最晩年で一番多くレコーディングしたのは竹内まりやさんです。
ま:そうですね。一緒にやれてよかったなと思うし。この時まだお元気だったんですけど、まもなくお亡くなりになって。で、何故か松木さんが急に「僕、コーラスも入れたい」っておっしゃって。
達:(笑)
ま:私、松木さんが歌うの聞いたことがなかったので「え、そうですか」と。
達:鼻歌しか聞いたことないです、僕は(笑)
ま:「これ、自分で多重録音するから」っておっしゃって。譜面を書いて
コーラスやってくれたあとに「あとで達郎にかぶせてもらっといてね」って言って亡くなったんですよ。
達:ベースつけました。
ま:そうだよね。だからこれは最後のレコーディングになりましたけれど。
達:遺作ですね。曲がですね「 (I Love You) For Sentimental Reasons」という1945年に書かれた曲ですけど、翌年の46年にナット・キング・コールがヒットさせまして。全米ナンバーワン6週という。
ナット・キング・コールが一番代表的なあれですけど。僕らはロックンロール世代だからサム・クックで知っています。
ま:松木さんは、エラ・フィッツジェラルドのバージョンでしたいなっておっしゃってたんですよね。
達:皆さん世代ですね。有名なスタンダードですけども。
村上ポンタさん、大仏さん(高水健司さん)、野力奏一さん、松木恒秀さんの4リズムに松木さんのコーラスが入ってる(笑)
ま:そうなんです。
達:すごいやつ。

♪ (I Love You) For Sentimental Reasons/竹内まりや

達:コーラス合わせるの大変だ。
ま:いやいやいい雰囲気の声だなと思いました。こんなに歌えるんだと。
達:(笑)しかしビートルズにカントリーにウエスト・コースにジャズ。五目味も良いところ。
ま:まだあるよ、フレンチポップスとカンツォーネが待ってるから。
達:(笑)まだまだ広がります。
次はフレンチポップス。
ま:はい、これはフランソワーズ・アルディの曲で、今回はシルビー・バルタン、フランス・ギャルと、フランソワーズ・アルディで迷ったんですけど、これがベタでいいかなと。「さよならを教えて」これは上手く歌えてるかどうか自信がありません。

♪ Comment te dire adieu~さよならを教えて/竹内まりや

ま:セルジュ・ゲンスブールの歌詞なんです。68年の。ほぼ完コピで、アレンジは牧戸太郎さんにやっていただきました。
達:もう1曲、行けます。
ま:じゃあカンツォーネ行きます。飛んでイタリアに。1970年のレイモンド・ラブロック主演の同名映画の主題歌なんですけれども「ガラスの部屋」。“ヒロシです”でおなじみの。
達:ペピーノ・ガリアルディだ。
ま:そうです。これをヤマザキマリさんの発音指導のもとに頑張って歌いました。
達:何ていうタイトルなんですか。
ま:Che vuole questa musica stasera
達:頭痛くなっちゃう。「ガラスの部屋」でいいや。

♪ Che vuole questa musica stasera/竹内まりや

ま:お笑い芸人のヒロシさんのあれで有名ですけれども、これ映画見に行って全然面白くない映画だったんだけれども、この曲だけは何だか。
達:いい曲があるんですよ、60年代はね。
てなわけで、この他にも「Baby Mine」ダンボの映画のしかも英語バージョン。
ま:これも初めてですし。
達:ジャズは色々入ってます。「Fly Me To The Moon」「Scotch And Soda」とか有名なところ。あと「Out Of The Blue」「Tequila Sunrise」「Southbound Train」、すごいですね。超五目味。
ま:イーグルスはかからなかったね、今回は。
達:CDでお聞きください。
最後はですね、私と1曲やったやつ(笑)
ま:これだいぶ前に録ったよね。探してみたらテイクワンのみだったの一発録りだったんですよ。
達:そうですね もともとはカラオケでやろうかとそんな感じで。
ま:でもこれ、ちゃんと達郎がトラック作ってくれて。
達:1人で、でっちあげたやつですね(笑)
エド・タウンセンドという作曲家の人が58年にトップ10に入れた曲なんですが、それをピーチズ&ハーブという、男女デュオですね。80年代くらいに「Reunited」というメガヒットを出しましたけれども。その時と女の人は違うんですが。
ま:あ、そうなんだ。
達:67年、全米20位と、あんまりふるわないんですけど、これFENでよくかかったんですよ、昔。
エド・タウンセンドといえば、のちにマービン・ゲイの「Let's Get It On」とか、ああいうのを一緒にやる。
ま:ああ、そうなんだね
達:デュオものでやってみようという、今を去ること十数年前に(笑)
ま:これは、たしかあったぞって、引っ張り出して。
達:なんでもいいという(笑)超五目味。
これを最後に。たくさんリクエスト頂いてるんですよ。
ま:ラフミックスをかけた時に覚えてらした。
達:本当に沢山リクエストを頂きました。

♪ For Your Love/竹内まりや Duet with 山下達郎

 

<了>