ルーマーの4年ぶり5枚目のフルアルバム『ナッシュヴィル・ティアーズ』
最近、音沙汰がないなーと思っていたが、こうして新作がリリースされうれしい限り。
とにかく、これほど心地よい歌声はそうそうないから。
今回はカントリー畑の腕利きソングライターであるヒュー・プレストウッドの作品集。
2012年のセカンド『ボーイズ・ドント・クライ』も1970年代の男性ソングライターの曲のカヴァーで、2016年の前作『ジス・ガール〜バカラック&デヴィッド・ソングブック』もその名の通りバート・バカラック作品集だった。
カヴァーの多い人だけれど、自身のふくよかで憂いのある声に見合った、オーガニックな曲のセレクトは絶妙だ。
彼女のことをよく知らない人は、『ナッシュヴィル・ティアーズ』というタイトルから、もともとカントリーに縁のある人?と思うかもしれないが、そうではない。
そもそもはイギリスのシンガー・ソングライターで、ここ数年はアメリカのジョージア州に住み、結婚、出産、育児を経験して、音楽業界からは離れていたらしいが、40歳を過ぎたばかりでリタイアする年齢ではない。
そんな彼女にプロデューサーのフレッド・モリンという人が、ヒュー・プレストウッドの作品を紹介したところいたく気に入ったようで、プレストウッド本人にオファーして、このアルバムの制作に至ったそうだ。
全体にカントリーテイストではあるけれども、コテコテのそれというわけではない。
ペダル・スティールなどのアーシーな響きは感じられるものの、情感豊かなアコースティックポップという印象の仕上がりだ。
これを書いている12月初日、コロナウイルス第3波による感染者が拡大するなか、ステイホームを増やしている。
そんな自宅での、穏やかな時間を過ごすときにふさわしい一枚。
Rumer - Bristlecone Pine (Official Audio)
Rumer - The Song Remembers When (Official Audio)
Amazonのレビューでの評価も高いです。
<了>