おとのほそみち

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【JAZZ新譜】若干20歳、盲目の天才ジャズピアニストのサードアルバム  Connections / Matthew Whitaker (2021)

コネクションズ / マシュー・ウィタカー

Connections

Connections

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Matthew Whitaker(マシュー・ウィタカー)のリーダーアルバムは、この「Connections」が3枚め。

2017年の「Outta The Box」、2019年の「Now Hear This」で、10代とは思えぬ優れた演奏を聞かせ、耳の肥えたシニアなジャズファンまでをも驚かせたマシュー。

今作もまた期待に違わず、演奏も作曲も、ただ褒めるしかない出来栄えだ。

これでまだハタチだというのだから、本当に驚く。

 

生まれは2001年。

盲目の未熟児で、成長しても、話すことも歩くこともできないのでは、と心配されたそうだ。

目は見えないままだったが、幸い身体の動きに問題はなく、それどころか幼少のころから、キーボードの演奏に才覚を見せる。

3歳のときに祖父からもらったヤマハの小さなキーボードが、鍵盤に親しんだきっかけ。

9歳のとき、ハモンドオルガンを独学で学び始め、その4年後には、ハモンド社の80年以上の歴史の中で、最年少でエンドースされたアーティストとなった。 

また、15歳でヤマハ・アーティストに選ばれ、プロのジャズプレイヤーとして活動を開始。

17歳でリーダーアルバムをリリースした。


今回のアルバムでは、高揚感のあるオープニング曲「Journey Uptown」、甘く切ない「Stop Fighting」など、自作曲の完成度が高い。

一方で、先人の名曲も採り上げており、その料理の仕方もなかなかのもの。

セロニアス・モンクの "By-Ya "では、ジョン・バティステを迎えての掛け合いがお見事。

チック・コリアの"Spain"では、冒頭のハモンドからはじまり、複数のキーボードに切り替えながらプレイしているようで、その才気溢れるフレーズの数々が素晴らしい。

将来は本当にコリアのようなプレイヤーになるかもしれない。

 


<了>