おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック 2021年03月21日「棚からひとつかみ+リクエスト」

達郎氏による曲の解説部分を要約して記載しています(青字部分は書き起こし)。ネットに楽曲データがあるものは張り付けていますが、オンエアされた音源とは異なる場合が多々あります。
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1. LOVE SPACE / 山下達郎 "スペイシー" "オーパス" '77
2. I COULD BE SO GOOD TO YOU / DON & THE GOODTIMES '67
3. WE MUST BE DOING SOMETHIN' RIGHT / THE GORDIAN KNOT '68
4. BABY, BABY / BOBBY BLOOM "WHERE ARE WE GOING" '70
5. HAVE YOU SEEN HER / THE CHI-LITES '71
6. TILL THERE WAS YOU / PEGGY LEE '61
7. MY RIFLE, MY PONY AND ME / DEAN MARTIN '59
8. フェニックス (2021 VERSION) / 山下達郎 '21

 

先週は「棚からひとつかみ」をお届けしましたが、その間にまた、たくさんたくさんリクエスト・カードいただきました。
今週は、そんな感じですので、合わせ技「棚からひとつかみ+リクエスト」

山下達郎のレコード棚からアトランダムにお聴きをいただきつつ、皆様のリクエストカード、お便りをご紹介しつつ、今日も55分間、いってみたいと思います。

さぁ何をかけようかと用意しておりましたら、今日はちょっと前倒しなんです。いつもより。

ですのでお天気のお話とかできないのは残念ですけど、いよいよスタジオ仕事が始まりましてですね。

何をかけようかと、思っておりましたら、村上秀一さん、ポンタさん・・
村上ポンタ秀一さんの訃報が飛び込んでまいりました。

私たちの世代にはですね、ほんとに村上秀一さん、ポンタさんはビッグネームのドラマーでありますので。
そこいらじゅうでポンタさんの追悼コメントがあふれております。

メディアのそういう方々もですね、ポンタさんの全盛期をご存じですので。

特にポンタさんは、後輩の面倒見がものすごくいいので、後輩のドラマーの人たちが、たくさんコメント寄せております。

私もなんかやろうかなと思ったんですが、なんかこう、見渡す限りポンタさん、ポンタさんになっておりますので。
へそ曲がりの私としてはですね、もうちょっと、ほとぼり冷めるまで待ってようと。

少し一段落してから、ゆっくりと、また極私的な、私にとっての村上秀一さんのドラムのお話をさせていただきたいと思います。

ですので、4月になりましたらやってみたいと思います。

ですので今日は「棚からひとつかみ+リクエスト」でお届けします。
たくさんのリクエスト・カード、おたより、ありがとうございます。
今日もがんばっていきたいと思います。

私、村上ポンタさんと一番濃い仕事をしていたのは、76,7,8の70年代後半になります。
いろんなところで、いろんな仕事しましたが。

とりわけ自分の作品で印象に残っておりますのは、
セカンド・ソロアルバム「SPACY」と、そのあとに出しました「IT'S A POPPIN'TIME」です。

「SPACY」というアルバムは、
村上ポンタ秀一ドラムス、細野晴臣さんベース、松木恒秀さんギター、佐藤博さんのキーボード。

私にとっては、当時のドリーム・チームを編成してレコーディングをいたしました。
この4人のうち、もう3人が鬼籍に入ってしまいました。

ほんとに、月日の経つのが早いもので、残念なことでございますが。

細野さん、長生きしてくださいね、ほんとに・・

というわけで今日の1曲目は「LOVE SPACE」
LOVE SPACE / 山下達郎

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I COULD BE SO GOOD TO YOU / DON & THE GOODTIMES

時代が殺伐としているので、なるべく明るい世界にしたいとのことで選曲。
ドン&ザ・グッドタイムスは日本で全く無名。いわゆるワンヒット・ワンダー。
リーダーのドン・ガルーチは「LOUIE LOUIE」のヒットで知られるキングスメンのメンバー。
彼が組んで1967年、全米56位になった「I COULD BE SO GOOD TO YOU」。
曲を書いてるのはジャック・ニッチェ。


WE MUST BE DOING SOMETHIN' RIGHT / THE GORDIAN KNOT

作曲家、シンガー・ソングライターでもあるジム・ウェザリーが亡くなった。
ゴーディアン・ノットは、1968年にジム・ウェザリーがミシシッピーで組んだバンド。
ソフト・ロックのアプローチで、後のジム・ウェザリーのアーシーな音楽性と違うが、よく聴いていた。
1968年のアルバム『THE GORDIAN KNOT』から「WE MUST BE DOING SOMETHIN' RIGHT」。


BABY, BABY / BOBBY BLOOM 

ピーター・アンダースの「BABY, BABY」にリクエスト。
ニューヨークの作曲家、シンガーのボビー・ブルームが1970年に作ったアルバム『WHERE ARE WE GOING』に、アンダース&ポンシアの「BABY, BABY」が収録されている。
このオケがピーター・アンダースの「BABY, BABY」と全く同じトラック。どちらがオリジナルかわからない。
デモの延長だと考えられる。
ピーター・アンダースよりボビー・ブルームのほうが歌がうまいので、今日は啓蒙的な意味合いでボービー・ブルームのヴァージョンを。


HAVE YOU SEEN HER / THE CHI-LITES

今日はR&Bが一曲もかかってないので、シカゴ・ソウルからシカゴを代表するヴォーカル・グループチャイライツ。
シャイライツ、キライツ、いろんな呼ばれ方をされる。
彼らの1971年、全米ソウル・チャートNO.1、全米チャート3位のミリオンセラーで代表曲の「HAVE YOU SEEN HER」。

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TILL THERE WAS YOU / PEGGY LEE 

リスナーから「達郎さんが生まれて初めて意識的に、かっこいいな、好きだと思った楽曲やアーティストは?」という質問と、ビートルズの「TILL THERE WAS YOU」にリクエスト。
ロックンロール系で最初に好きになったのはヴェンチャーズ。
「THE CRUEL SEA」はヴェンチャーズのオリジナルではなく、違うグループの作品だったが、ヴェンチャーズの演奏する「THE CRUEL SEA」に感動して、生まれて初めてお小遣いで買った。
ビートルズは他の番組で聴けるから、この番組ではほとんどビートルズをかけない。
ビートルズの「TILL THERE WAS YOU」はメレディス・ウィルソンが1950年に書いた曲。
1957年にミュージカル『ミュージック・マン』に使われて、その後、アニタ・ブライアントが1959年にヒットさせた。いわゆるスタンダード・ナンバー。
ポール・マッカートニーは「TILL THERE WAS YOU」をペギー・リーのヴァージョンで聴いて、大変気に入って、ビートルズのライヴのレパートリーにし、アルバムに収録した。
今やビートルズの「TILL THERE WAS YOU」となっている。
1961年のペギー・リーのシングルはイギリスでチャートインするヒット曲になったので、ポール・マッカートニーの聴くところになったと思われる。今日はペギー・リーのヴァージョンで。

 

MY RIFLE, MY PONY AND ME / DEAN MARTIN

リスナーからディーン・マーティンの「ライフルと愛馬」にリクエスト。
1959年の映画『リオ・ブラボー』の挿入歌。
『リオ・ブラボー』は両親が当時好きで、まだ幼稚園児だった自分を連れて、父親が4回、母親が3回、だから7回観に行った。
そんなわけで幼稚園で木琴で「ライフルと愛馬」を弾いた。いまだにソラで歌える曲。
ディーン・マーティンは役者としては大好きだが、十代の頃にテレビでやっていたディーン・マーティン・ショーで、ローリング・ストーンズをぼろかすに貶していたので、「なんだこいつ」と憤慨した。
今となってはいい思い出。ディーン・マーティンで「MY RIFLE, MY PONY AND ME」。


フェニックス (2021 VERSION) / 山下達郎

NHKが今年一月からスタートしている、持続可能な開発目標、SDGsキャンペーン「未来へ 17アクション」のテーマソングに、「フェニックス」が使用されることになった。
2003年にNHKの地球環境番組『地球だい好き!環境新時代』のテーマソングとして書き下ろした「フェニックス」。
今回は「フェニックス」のアカペラ・ヴァージョンを再レコーディング。
3月からランダムにオンエアされる予定だが、大体10時台らしい。
今日はテレビでオンエアされる60秒ヴァージョン。

<了>