アバウト・タイム / マルティン・サレミ
マルティン・サレミは、1988年ベルギーのブリュッセル生まれ。
6歳でピアノを学び始め、2013年にブリュッセル王立音楽院でジャズピアノの修士号を取得。
ジャズ・ファンクバンドのキーボードプレイヤーとして活動したのち、自らのトリオによるジャズ作品『Short Stories』を、2017年にリリース。
ヨーロピアン・ジャズの正統を受け継ぐ、端正で叙情的な音の佇まいが、高く評価された。
それから約5年を経て、セカンドアルバム『About Time』をリリース。
全7曲、彼のオリジナルで、いずれもリリカルで品があるが、ときおり攻めるアドリブも聞かせ、ちょっとブラッド・メルドーを思わせるところもある。
ベースはルクセンブルク出身のボリス・シュミット(Boris Schmidt)、ドラマーはオランダ出身のダニエル・ヨンカース(Daniel Jonkers)、いずれもヨーロピアン・ジャズのDNAを感じさせる演奏だ。
特にダニエルのドラムはかなりシャープでキレがよく、アンサンブルにスリルと緊張感を加えている。
すでに完成された感のある作曲能力と演奏ぶりだが、マルティン・サレミはまだ30歳代の半ばだ。
これからのキャリアが楽しみな逸材である。
※You Tubeで全曲聴ける
<了>
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