おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



マックス・ミドルトン Max Middleton #1 Jeff Beck Group「Rough and Ready」

彼がプロのキーボード・プレイヤーとして活動をスタートしたのは、Jeff Beck Groupでのことだ。
同グループの3作目、1971年リリースの「Rough and Ready」のメンバーとしてクレジットされた。
ちなみに2作目のときのキーボード・プレイヤーはニッキー・ホプキンス(Nicky Hopkins)だった。
この「Rough and Ready」はロック史上に残る名盤とされる。
2作目のメンバーからロッド・スチュワート(Rod Stewart) とロン・ウッド(Ronnie Wood)が抜け、いわば飛車角落ちの状態で、大幅なパワーダウンは否めないと多くのロックファンが懸念していた。
加えてベックが交通事故で三ヶ月入院し、新メンバーの選出は遅れたという。

ところがどっこい、新メンバーにボブ・テンチ、クライヴ・チャーマンといった黒人アーティストを加えたのが、どはまりした。当時、というか今でもそうだが、イギリスで白人と黒人が混じったバンドは数少ない。
ベックがブラックミュージックを志向していたことがよくわかる。

マックス・ミドルトンのキーボードは、特にファンキーというわけではないが、それまでのロック・キーボードとは一線を画してフュージョンぽい(当時はジャズ・ロックなどと言った)。
このアルバムが出た1971年当時はハード・ロック全盛。ツェッペリンやパープル、ブラック・サバスなどがブイブイいわせていた。
そこにソウル・ジャズ色の濃いサウンドで殴り込みをかけたわけだ。

ラフ・アンド・レディ(紙ジャケット仕様)

ラフ・アンド・レディ(紙ジャケット仕様)

Jeff Beck: guitars, bass and production
Bobby Tench: vocals and rhythm guitar
Max Middleton: piano and keyboards
Clive Chaman: bass
Cozy Powell: drums

 

1.Got the Feeling
2.Situation
3.Short Business
4.Max's Tune
5.I've Been Used
6.New Ways / Train Train
7.Jody

全7曲のうち唯一ベックの作ではない「Max's Tune」は、タイトル通りマックス・ミドルトンの曲である。

 

 この2曲で聴けるミドルトンのソロは絶品。

このアルバムは全米チャートで46位を記録している。

 

#この項おわり