おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



Law And Order / Love Committee (1978)


ラヴ・コミッティ(Love Committee)は、ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のボーカルグループ。

1967年に結成されたエシックス(The Ethics)を前身とする。

1974年にシングル1枚をリリースした後、グループ名をラヴ・コミッティに改名した。

のちにテンプテーションズのメンバーとなるロン・タイソン(Ron Tyson)が在籍していたことで知られる。


彼らのファーストアルバム『Law And Order』は、フィリー・ソウルの隠れた名盤。

隠れた、といってもキャリアのあるフィリー・ソウル好き、スウィートソウル好きはみんな知っているだろうけど。

アゲアゲのジャンプナンバーから甘くメロウなバラードまで、当時の売れ筋のソウル、R&Bの魅力が目一杯つまっていて、ロン・タイソンのファルセットとジョー・フリーマン(Joe Freeman)のバリトンの掛け合いがお見事。

もちろんコーラスもうまいし、バックの演奏も達者。これぞシグマスタジオ、という音だ。

これがリリースされた1978年は、ディスコサウンドブームの大きな波が押し寄せた時期で、スィートなフィリー・ソウルの存在感は徐々に薄れつつあった。

フィリー時代を終焉期を飾る一枚といってもいいだろう。

 

とはいえ、評価を得たのは後の話であって、リリース当時はヒットに恵まれていたわけではない。

このアルバムは、さまざまな曲調の作品が並んでいるが、どっちつかずでスタンスが不明瞭という見方もできる。

シングルのセールスも今ひとつだった。

1980年に「Love Committee」というセカンドアルバムを出したのち、グループは活動を終えている。

 

 

※Amazonにリンクを張っている盤は日本独自企画で、ミックス違いの12インチヴァージョンなどがボートラで入っている。たぶん追加プレスはされないだろうから、気になる方はお早めに。

<了>