「LOVE,LOVE,LOVE」といっても、ドリカムとは関係ない。
ダニー・ハザウェイが1973年に発表した『Extension of a Man(愛と自由を求めて)』に収録されている。
- アーティスト:ダニー・ハサウェイ
- 発売日: 2013/04/24
- メディア: CD
ハサウェイの生前にリリースされた最後のスタジオ・アルバムとしてたいへん有名で、ソウルの歴史を語る上で欠かせない一枚。
ゆえにこの曲も、よく知られている。
しかし、ハサウェイのがオリジナルではない。
この曲の作者であるJ.R.ベイリーが、72年にシングルをリリースしていて、全米ソウルチャート31位。
スマッシュヒットを記録している。
のちのハサウェイの歌唱が有名になったため、影が薄くなってしまった感があるが、ハサウェイヴァージョンがあるからこそ、J.R.ベイリーの名が、今に語り継がれているとも言える。
J.R.ベイリーは、1937年ニューヨーク出身。
50年代からアーティストとして本格的な活動をスタートし、キャリア初期はThe Halos、The Cadillacsといったドゥー・ワップ・グループの一員として活躍した。
アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)、ロバータ・フラック(Roberta Flack)など錚々たるシンガーのバックヴォーカルを努めているので、業界内での評価は高かったのだろう。
1960年代の半ばからはソングライターとしても活躍しており、The Plattersの「Sweet Sweet Lovin'」も彼の手によるものだ。
1974年にはソロアルバム『Just Me'n'You』をリリース。
ニューソウルの名盤として知られ、「LOVE,LOVE,LOVE」も収められている。
Just Me 'n You by J.R. Bailey (2005-11-30)
- アーティスト:J.R. Bailey
- メディア: CD
しかし彼の活動期間は決して長くはなく、アルバムはもう一枚、1977年の『Love and Conversation』を残すのみ。
1985年に帰らぬ人となる。
まだ40代だった。
<了>