ジェイソン・シェフのソロアルバムって初めてだっけ?
と記憶が定かではなかったのだが、なんと22年ぶりだそうだ。
どういう理由だか知らないが、アメリカでリリースされたのが昨年で、約1年も経ってから2020年10月に日本盤が登場した。
言わずとしれたシカゴのフロントマンで、ピーター・セテラの後を引き継いだリード・シンガー/ベース・プレイヤーであるが、数年前に脱退している。
全10曲のうち5曲がシカゴの曲で、かの名バラード「Hard to Say I'm Sorry(素直になれなくて)」も含まれる。
ピーター・セテラの後をついで長く歌ってきたとはいえ、そもそもはピーター・セテラとデイヴィッド・フォスターの曲だ。
22年ぶりなんだから、もっと新曲にチカラを入れてもよさそうなものだが、これはファンサービスなのだろうか。
という、やや首をかしげるところはあるにせよ、作品全体のクオリティは高い。
アレンジも演奏も歌も、洗練されていて品があり、AOR期のシカゴが好きな人なら大歓迎する出来栄えだと思う。
シカゴの曲以外の5曲も自作ではないが、例えばアルバムタイトル曲「Here I Am」は、レオナ・ルイスのデビューアルバムからと、やや意表を突くところから、いい曲を揃えてきている。
注目すべきは、やはりシカゴのシンガーだったビル・チャンプリンがゲスト参加していること。
もう70歳をすぎているが、たいへん調子はいいようだ。
ジェイソンがシカゴを脱退した理由の1つは体調不良だそうだが、まだ50代である。アブラが乗ってくる時期である。
カラダに無理のない範囲で、新作に挑んで欲しいものだと思う。
日本盤はボートラありなので要チェック。
<了>