2019年(第61回)のグラミー賞が発表された。
その結果については、たくさんの音楽ニュースサイトで紹介されているのでここには書かない。
授賞式典での各アーティストのパフォーマンスをテレビで楽しく観たが、とりわけ印象的だったのはダイアナ・ロスだ。
彼女は賞にノミネートされていたわけではない。
3月26日に75歳の誕生日を迎えることを記念し、音楽界での多大な功績を祝してのステージが行われたのだ。
実のところ彼女は最近はあまり目立った活動はしていないのだが、ステージは現役感バリバリ。
名曲「The Best Years of My Life」と「Reach Out and Touch (Somebody’s Hand)」の2曲を披露したという。
バックステージでも貫禄たっぷりで華がある。
「女王」という言葉をあまり安易に使いたくはないが、アレサ・フランクリン亡き後、R&Bの女王と呼べるのは、やはりダイアナ・ロスになるだろう。
その実績を上げればキリがないが、例えば、Billboard全米チャートの1位獲得曲数。
1位はビートルズで20曲。
ダイアナ・ロスはそれに次いで2位の18曲で、シュープリームス時代に12曲、ソロとして6曲獲得している。(ちなみにマライア・キャリーも同じく18曲)
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そのダイアナ・ロスの曲を西城秀樹さんがカバーしている。
ダイアナ・ロス&ザ・シュープリームスが1966年に放った全米ナンバーワンヒット「ユー・キープ・ミー・ハンギン・オン」だ。
西城さんが1978年2月14日に日比谷公会堂で新日本フィルハーモニー交響楽団と共演したコンサートを収めた「バレンタインコンサート・スペシャル/愛を歌う」(1978年6月)に収録されている。
このコンサートは、オーケストラをバックにしていることでもわかる通り、派手なロックは控えめで、特に前半はしっとりした曲調の作品が中心になっている。
「ユー・キープ・ミー・ハンギン・オン」が歌われるのは、コンサートの半ばあたりだ。
この曲は1967年にアメリカのロックバンド、バニラ・ファッジが、オリジナルよりかなりスローにしてカバーし、こちらも全米6位のヒットとなった。
また、1977年にはロッド・スチュワートがアルバム「明日へのキック・オフ」(原題:Foot Loose & Fancy Free)の1曲としてカバー。これもスローで、ロッドならではのエモーショナルな歌唱が映える、名カバーである。
おそらく秀樹さんはこのロッドのバージョンを聴いていたと思うが、スローではなくややアップテンポ気味に、つまりオリジナルのシュープリームスに近いかたちで歌っている。
いまさら言うのも何だけれども、歌うまいなあ。
このとき、まだ23歳くらいでしょ。ちょっと信じられない。
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こちらがオリジナル
ヴァニラ・ファッジ。これはシングルバージョンなので短いがアルバムバージョンは7分近くある。
ロッドのカバーも素晴らしいので、イントロで1分、全体で7分と長いけれど、ぜひ。
そのほかの秀樹さん関係の記事はこちら。
#この項おわり