おとのほそみち

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ジェームズ・イングラム追悼特集 NHK-FM「松尾潔のメロウな夜」2019年2月11日

 

NHK-FM松尾潔のメロウな夜」2019年2月11日放送分で、ジェームズ・イングラムの追悼特集がオンエアされた。

R&Bにおいては類稀な見識と審美眼を持つ松尾氏だけに、ただのヒットパレードになるはずもなく、はてさてどのようなと期待しつつ聴いたのだが、いやはや完全に意表を突かれた。
まさか1991年の初単独来日公演を、当時のメモを元に再現するとは......

曲目リストを番組ホームページからコピーさせていただく。

1.「It′s Real」James Ingram
2.「I Wanna Come Back」James Ingram
3.「Just Once」Quincy Jones with James Ingram
4.「Baby, Come To Me」Patti Austin with James Ingram
5.「(You Make Me Feel Like) A Natural Man」James Ingram
6.「Hold On」Ernie Watts
7.「When Was The Last Time Music Made You Cry」James Ingram
8.「How Do You Keep The Music Playing」James Ingram & Patti Austin
9.「There's No Easy Way」James Ingram
10.「One Hundred Ways」Quincy Jones with James Ingram
11.「Somewhere Out There」Linda Ronstadt & James Ingram
12.「P.Y.T. (Pretty Young Thing)」Michael Jackson
13.「Someday We'll All Be Free」James Ingram
14.「I Don't Have The Heart」James Ingram
15.「Yah Mo B There」James Ingram、Michael McDonald

※7~11はメドレー/15はアンコール


当然のことながら1992年以降の作品、アルバムで言うと「Always You」「Stand」は入らない。
またライブ当日のセトリに準じるからには、松尾氏のこだわりをつぶさには反映できないだろう。
それでもあえてこのプログラムを選んだのは、この時期にジェームズがキャリアのひとつの頂点を迎えていた、その記録的価値をふまえてのことと思う。

 

と偉そうに書いているが、正直に言えば私はこの時期、R&Bやブラックコンテンポラリーをあまり熱心には聞いていなかった。聞いていたのはロックばかりだった。

当時のロックファンなら重々承知のことと思うけれど、1991年はロックの歴史において非常に重要な年。
なにせパール・ジャムのデビューアルバムの翌月にニルヴァーナの「ネヴァーマインド」がリリースされたのだ。その他にも、ダイナソーの4枚目、レッチリの「ブラッドシュガー」など重要なアルバムが目白押し。これらを追いかけるだけで精一杯だった。

 

しかしそれから四半世紀以上が過ぎて、ロックミュージックのかつての勢いや影響力はかなり薄れてしまったし、私の音楽の趣向もかなり変わった。

だからこそ今、1991年当時見過ごしていた、こうした貴重なアーカイブに接することができるのは喜ばしい。

番組時間の制約もあり、すべてがフル尺でオンエアされたわけではないので、Spotifyでプレイリストを作ってみた。 残念ながらアーニー・ワッツの曲はSpotifyになかったし、リンダ・ロンシュタットとの曲は日本では再生できない。また、実際にオンエアされたのとはバージョン違いもあると思うが追体験気分は味わえている。


しかし、NHKって堅くて真面目で中庸で万人向けというイメーシがあるけれど、ことFMに関しては決してそうではなく、こうしたかなりマニアックな濃いプログラムがさらり放送されていたりするのが、しみじみと喜ばしい。

#この項おわり