おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也


NHK-FM 2つの「クインシー・ジョーンズ特集」が素晴らしかった

3月14日に89回目の誕生日を迎えたクインシー・ジョーンズ。

この機会に、という趣旨で、NHK-FMの2つの番組が、クインシーを特集した。

まずは、3月14日その日にオンエアされた「松尾潔のメロウな夜」
音楽プロデューサーで作詞・作曲家の松尾さんが、そのタイトル通り、R&Bを中心としたメロウな楽曲を毎回厳選して紹介している番組だ。

今回の特集では、クインシーが手掛けたヒット曲をほとんど捻ることなく、ド直球でオンエア。
プレイリストは下記の通り。

<BGM> We Are The World」USA For Africa
「Billie Jean」Michael Jackson
「Do You Love What You Feel」Rufus & Chaka Khan
「Stomp!」The Brothers Johnson
「Love Is In Control(Finger On The Trigger)」Donna Summer
「Give Me The Night」George Benson
「Do You Love Me?」Patti Austin
「Yah Mo B There」James Ingram、Michael McDonald
「Gigolo」Ernie Watts
「Angel」Aretha Franklin
「I Can't Help It」Michael Jackson
<BGM> Velas」Quincy Jones
「If I Ever Lose This Heaven」Quincy Jones
「I'm Gonna Miss You In The Morning」Quincy Jones
「Moody's Mood For Love」Quincy Jones
<BGM> Setembro (Braziliam Wedding Song)」Quincy Jones、Sarah Vaughan、Take 6、Herbie Hancock、Gerald Albright、George Benson、George Duke
<BGM> How Do You Keep The Music Playing」James Ingram、Patti Austin
「The Island」Patti Austin

このプレイリストだけ見ると、50分の番組にしては曲数が多いな、と思われるだろう。

トークのBGM(←これもこの番組ではとても大事)を記していることもあるけれど、
「Billie Jean」から「I Can't Help It」までの10曲がメドレーだから。

松尾さん語るところの“メロ夜チーム渾身のバースデイミックス10連発“。
MJではじまりMJで終わる中に、チャカ・カーン、ドナ・サマー、ジョージ・ベンソンら、綺羅星のごときヒット曲が見事につながる。
もちろん男女のバランスも考えてのセレクトだろう。
いやもう、本当に至福の約23分間。
私は録音したデータのこの部分だけエディットして、繰り返し聴いている。

松尾さんは、若かりし頃、音楽ジャーナリストとしてクインシーにインタビューした経験があり、そのときやや生意気な(?)質問をしたところ、クインシーに一喝されたというエピソードがある。
くわしくはこちらの著書で。

松尾潔のメロウな日々 (SPACE SHOWER BOOKS)

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  • 作者:松尾 潔
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さて、もうひとつのクインシー・ジョーンズ特集は、3月19日にオンエアされた「ジャズ・トゥナイト」

日本屈指のジャズギタリストで作曲家の大友良英さんがMCを努めていて、毎週、特集もあれば新譜もありで、2時間たっぷりだから聴き応えがある。

ここでは当然、ジャズミュージシャンとしてのクインシー・ジョーンズにスポットを当てての選曲だった。
当然のことながら、R&Bのヒット曲中心だった松尾さんのセレクトとは全然かぶらない。

ジャズとポップス、両ジャンルの第一線で長く活躍した人(している人)自体さほど多くはなく、その中でもクインシー・ジョーンズの実績は、とてつもなく際立っている。
まさに稀代の音楽家といっていいだろう。

「ジャズ・トゥナイト」のプレイリストは下記の通り。
基本的に時代を追っての紹介で、1曲目の「Kingfish」の録音は1951年、この曲を書いたときクインシー・ジョーンズは、まだ10代である。

番組内では、クインシーの師匠や仲間、先輩・後輩らとのエピソードの数々を語る、大友さんのトークが楽しかった。

「Kingfish」Lionel Hampton & His Orchestra
「Liza」Quincy Jones
「Falling in Love with Love」Helen Merrill、Clifford Brown
「Manteca Theme」Dizzy Gillespie & His Orch.
「Lullaby of Birdland」Quincy Jones & his Orchestra
「Love Walked In」Sonny Stitt
「A Sleepin' Bee」Quincy Jones
「Let The Good Times Roll」Ray Charles
「For Lena and Lennie」Count Basie & his Orchestra
「Stockholm Sweetnin'」Quincy Jones & his Orchestra
「Soul Bossa Nova」Quincy Jones & his Orchestra
「I Can't Stop Loving You」Count Basie & his Orchestra
「I Believe in You」Frank Sinatra、Count Basie & his Orchestra
「Rack 'em Up」Quincy Jones
「End Title」Quincy Jones
「Shag Bag, Hounds & Harvey」Quincy Jones
「Killer Joe」Quincy Jones
「Along Came Betty」Quincy Jones
「Stuff Like That」Quincy Jones
「Ironside feat. Talib Kweli」Quincy Jones


この中で特に印象深かったのは、カウント・ベイシー、フランク・シナトラの共演にクインシーが加わった「I Believe in You」(クインシーのアレンジ)

この曲が収められたアルバム「It Might As Well Be Swing」は、いまから40年近く前の1964年作品だが、ポピュラーミュージックの楽しさ豊かさが目一杯詰まっていると思う。

CD化されたときの日本盤のタイトルは「スウィング!シナトラ=ベイシー=クインシー」だった。

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素敵な特集を届けてくれた「メロウな夜」と「ジャズ・トゥナイト」に、改めて感謝したい。

これからも聞き続けます。

 

<了>