おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也

西城秀樹さんがカバーしたフォガット (Foghat)の曲

フォガットが現在も活動中と聞くと、古くからのハードロックファンは驚きつつ懐かしく思うことだろう。
新作のアルバムリリースこそないものの、ライブやフェスへの出演は精力的にこなしているようだ。

とはいってもオリジナルメンバーは、ドラムのロジャー・アールのみ。
全盛期の1970年代に2枚看板だった、ギターのロッド・プライスはとっくに脱退。
ヴォーカルのロンサム・デイヴは2000年に惜しくもガンで他界している。

欧米と日本とで人気に差があるロックバンドは少なくないが、フォガットもその一つに数えていいはずだ。
イギリス出身ながら、アメリカで大きな成功を収め、ライブバンドとして高い評価を獲得。1977年リリースのライブアルバム「Foghat Live」は全米チャートで11位を記録している。

しかし日本での人気、知名度はいまひとつ。
理由はいくつかあって、まずルックスやファッションがいささか野暮ったく、ロックスターとしての華に乏しかった。
曲はブギをベースにしたシンプルなロックが多く、日本人好みのメロディアスな曲がほとんどなかった。
ロック雑誌に取り上げられることもあまりなく、来日公演も行っていない。
そして何よりも当時は、クイーン、キッス、エアロスミスの人気が絶大だった。
地味なフォガットが、これら華のあるバンドの陰に隠れてしまったのは、やむをえないだろう。

 

その地味なバンドのカバーをしているのが、西城秀樹さんである。
それも2曲。「Fool for the City」「Slow Ride」、どちらもフォガットが1977年にリリースしたアルバム「Fool for the City」に収められており、2曲ともシングルカットされた。
「Slow Ride」は全米で最高位20位、「Fool for the City」は45位。
アメリカでヒットはしたが、日本でこの曲に親しんでいた人はどれくらいいるだろう....
フォガットのオリジナルよりも、秀樹さんのカバーで聞いた人の方が多いんじゃないかと思うくらいだ。

1978年7月、後楽園球場でのコンサートを収めた「BIG GAME'78 HIDEKI」でそのカバーを聞くことができるが、オープニングのあとの1曲めが「Fool for the City」、続いて「Slow Ride」。つまりコンサートのアタマがフォガット連発なのだ。本当に思い切ったセットリストだと思う。

 

音源を張り付けておくけれど、1970年代のフォガットのライブは映像も音も質はよくない。しかしこうして見られるだけでも貴重だ。

見てもらえればわかるが、「Slow Ride」はそもそも演奏を聞かせるのが主体の曲で、ライブでは10分以上演奏することがザラだったらしい。

洋楽カバーの多い秀樹さんだが、決してヒット曲、有名曲ばかりを採り上げているわけではない。そのこだわりが、このフォガットのカバーにあらわれていると思う。



 

 

こちらは2016年リマスターのフォガットのライブ盤。2曲とも入っている。

 

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