アルバムデビューから約10年を経て、いまだ謎が多い印象だが、コンスタントに活動を続けている東京発のソロ・プロジェクトSerph。
ジャンルとしてはエレクトロニカで、ポップでドリーミーなサウンドデザインに秀でたものがある。
曲想はかなり広く、静謐なアンビエントもあれば、弾けるようなゲームミュージックぽい曲もある。
初期の代表曲の一つを貼り付けておく。
彼の作品に共通するのは(私のようなオジサン世代から見れば、だが)ある種の懐かしさだ。
サウンドの響きそのものは、きわめて現代的なのだが、描こうとしてしてる世界は、どこかレトロなおとぎ話のような印象がある。
そんなSerphが、ディズニーのカバーを手掛けたという。
なるほどこれは、どハマリではないか。
『Disney Glitter Melodies』
リリース元の紹介文にはこうある
儚く美しく、煌びやかに奏でる珠玉の旋律
繊細な電子音とピアノ、ストリングスが奏でる魔法のハーモニー
エレクトロニカ・アーティストSerphが紡ぐディズニー楽曲カバー・アルバム
いささかベタすぎるが、内容はそのとおりだ。
収録曲は以下の通り
01. A Whole New World [Aladdin]
02. Main Street Electrical Parade [Disneyland(R)]
03. Let It Go (End Credit Version) [Frozen] (feat. Yui Makino)
04. True Love's Kiss [Enchanted]
05. Part of Your World [The Little Mermaid]
06. Beauty and the Beast [Beauty and the Beast]
07. On My Way [Brother Bear]
08. Under the Sea [The Little Mermaid]
09. Speechless [Aladdin]
10. Good Company [Oliver & Company]
11. When You Wish Upon a Star [Pinocchio]
12. It's a Small World [New York World's Fair]
「アラジン」から「イッツ・ア・スモールワールド」まで、耳馴染みのある名曲ばかり。
特に印象深いのは、メロディの際立ち方だ。
典型は1曲目の「ホール・ニュー・ワールド」だろう。
原曲はピーボ・ブライソンとレジーナ・ベルの熱いデュエットが印象的な名バラードだが、ここではインストに徹した可憐な音の輪郭が美しい。
一方で、3曲目の「レット・イット・ゴ
ー」は、サウンドはディープなエレクトロニカながら、牧野由依の透明感あふれる歌唱でおおらかな世界観を表現するなど、バリエも豊か。
ディズニーソングのカバーは数あれど、2020年モードにふさわしい作品と言えそうだ。
A Whole New World (From "Disney Glitter Melodies")
Let It Go (From "Disney Glitter Melodies")
<了>