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【JAZZ新譜】Classics / Scott Hamilton (2022)

クラシックス / スコット・ハミルトン

Classics

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テナーの巨匠がクラシックの名曲をクァルテットで

レジェントにして当代最高のテナー奏者、スコット・ハミルトン。

長らくジャズの王道を歩み続けている人だが、本作「CLASSICS」は、クラシックの名曲のテーマをジャズ・クァルテット編成にアレンジして再構築したもの。

特別目新しい企画ではないが、キャリアの浅い段階にやると「おいおい、若えのがやるこっちゃねえだろ」と言われかねず、やはりベテランになってから、余裕をもってやるのが筋という感じだ。

本作は、クラシックの華麗で綺羅びやかなテーマを、非常に濃厚な野太いジャズに仕上げており、まさに貫禄の仕上がり。

いくつか元の曲の挙げると
「I Think of You」=ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番
「The Lamp is Low」=ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」
「Theme from Swan Lake」=チャイコフスキーの「白鳥の湖」
など。

元のテーマをそのままなぞって吹いているわけではないが、聞きおぼえのある旋律がふわっと立ち上がってくる瞬間が心地よい。
と思うや刹那、熱く濃いハミルトンワールドに連れていかれてしまう。

ヤン・ラングレン(p)、ハンス・バッケンルート(b)、クリスチャン・レト(ds)という布陣も強力で、非常に足腰の強い演奏を聞かせる。

アメリカで好評を持って迎えられており、JAZZ WEEKでは最高位4位を記録している。

 

1.I Think of You
2.The Lamp is Low
3.If You Are but a Dream
4.Theme from Swan Lake
5.My Reverie
6.Yours is My Heart Alone
7.Moon Love
8.Humoresque
9.Skymning

<了>
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