バード・ライヴ / SWR ビッグ・バンド
SWR Big Bandはヨーロッパで屈指の実力を誇る、ドイツの名門ビッグバンド。
そのSWRが、スウェーデンのサックス/フルート奏者マグヌス・リングレン(Magnus Lindgren)をソリストに、アレンジャー/ピアニストとしてジョン・ビーズリー(John Beasley)を迎えたのが、この作品。
テーマはかのチャーリー・パーカーが作曲・愛演した名曲を、新たに解釈し、現代的なラージアンサンブルならではの表現で、新たな息吹を与えることだ。
その試みは見事に成功していると思う。
私はビッグバンドの魅力は、何よりもポジティブさにあると思っている。
だって、大人数が集まって、わざわざ暗く悲しく内省的な演奏をしてもしょうがない。
それはソロやコンボでやればいい話だ。
この作品も、おそらくはスコアは相当複雑なのだろうが、それを軽々と生き生きと、時にはユーモラスに表現する。
これこそが名門ビッグバンドゆえの力量だ。
ソリストはマグヌス・リングレンだけではない。
テナーに、クリス・ポッター、ジョー・ロヴァーノというベテランのほか、新旧の腕利きがずらり。
アンサンブルの大波小波の上を、彼らの乾坤一擲のソロが次々と響く。
聞いていて楽しくないわけがない。
コロナ禍の影響で、ビッグバンドの運営はどこも大変だと聞くが、ぜひこの音を響かせ続けて欲しいと願う。
SWR Big Band & Strings
co-arranged by Magnus Lindgren & John Beasley
Magnus Lindgren – music director, flute & tenor sax
John Beasley – piano & keys
Guests :
Chris Potter – tenor sax
Joe Lovano – tenor sax
Miguel Zenon – alto sax
Tia Fuller – alto sax
Charles McPherson – alto sax
Camille Bertault – vocal
Pedrito Martinez – percussion
Munyungo Jackson – percussion
1 Cherokee - Koko
2 Summertime
3 Scrapple from the Apple
4 I'll Remember April
5 Confirmation
6 Donna Lee
7 Laura
8 Overture to Bird
<了>
この他のジャズアルバム紹介記事はこちら