おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



【AOR】2020年の新譜ながら 音は上質な1980年代AOR 『CWF2』

 

2020年の新譜ながら、音はもろに1980年代の西海岸AOR。

私にとっては、どストライクで、抜けのいい爽快な音は今の季節にもぴったりだ。

チャンプリン・ウィリアムス・フリーステットの2ndアルバム『CWF2』が5月下旬にリリース。以来ずっとヘビロテ状態である。

 

ただ、80年代を懐かしむだけの音ではない。

曲作り、アレンジ、演奏。どれも緻密で質が高く、最近よくあるパソコン中で一丁上がりました的な音とは説得力が違う。

 

メンバーは元シカゴのボーカリスト、ビル・チャンプリン。
ソングライターとしても超一流だ。

TOTOの3代目リードシンガーとして知られるジョセフ・ウィリアムス。

そしてスェーデン出身の若手ギタリスト、ピーター・フリーステット。

 

冒頭の「Runaway Dance」なんざ、モロにTOTOスタイルで、ピーター・フリーステットの切れのいいギターソロと、ジョセフ・ウィリアムスの伸びやかなハイトーンヴォイスが与えてくれる高揚感、爽快感は格別。

また「All The Love In The World」には、マイケル・マクドナルドが参加していて、これも聞き物だ。

 

既発の曲も多く、すべてが新作というわけではないが、こうしてアルバムとして出るのはやはりうれしいし、日本盤にはボートラ3曲というのも、日本のファンを強く意識してのことだろう。

実際タワレコあたりでは、良いセールスを示しているようだ。

こうした音に親しむ人が多い上に、近年はAOR再評価ブームでもあるので、それも当然だろう。

 

宣伝文には「シカゴmeetsTOTO」とあり、そのとおりではあるのだが、実際の音作りをリードしているのは、いちばん若いピーター・フリーステットだそうだ。

彼は73年生まれで、80年代の多感な青年期にシカゴやTOTOを聞きまくり、多大な影響を受けてプロの道を選んだとのこと。

これからも良き時代のAORをきっちり受け継いでもらいたいと思う。

CWF2

CWF2

 

<了>