テイキング・ア・コールド・ルック / アイ・テン
マドンナ「Like A Virgin」やシンディ・ローパーの「True Colors」、バングルス「胸いっぱいの愛」など、ポップス史上に残る作品を手かげてきたソングライター・チーム=トム・ケリー&ビリー・スタインバーグによるユニット、唯一のアルバムが、こちら。
ちなみにプロデュースはスティーヴ・ルカサーとキース・オルセン。
スティーヴ・ルカサーは言うまでもなく、TOTOの中心メンバーにしてアメリカ西海岸のポップ・ロックを代表するギタリスト。
キース・オルセンは、フリートウッド・マックや、フォリナー、リック・スプリングフィールドなど、大衆受けするポップ・ロックを多数手掛けた名プロデューサー(惜しくも2020年3月永眠)。
なかなか凄い顔ぶれが集まっているわけで、演奏にはTOTOのポーカロ兄弟も参加しているから、音は悪かろうはずがない。
メロディアスかつハードなサウンドは聴き応えじゅうぶん、後にハートが歌い全米No.1を獲得した「アローン」のオリジナル・ヴァージョンなどの注目曲もあり。
ただアルバム全体を通して聴くと、どうも緩急がないというか、似たような印象の曲が多くて、アルバム全体としてのダイナミズムに乏しい。
また、いささか野暮ったいというか、洗練度の足りないアレンジも時折耳につく。
そのへんが、参加メンバーが豪華なわりに、いまいち再評価されない原因かもしれないが、いちばんの理由は、いささか不気味でキャッチーさのない、アルバムジャケットかも。。。。
とはいえ、楽曲の完成度、演奏のレベルは高いので、80年代のAORに関心あるひとはご一聴を。
サブスクでも聞けます。
<了>