おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック06月14日「山下達郎ライブで棚からひとつかみ 雨の歌」書き起こし

オンエアされた曲に関する達郎氏のコメントを書き起こしています(一部要約あり)。インフォメーションやリスナーからのメッセージは割愛しています。
今回のオンエア曲は、CD等でリリースされてはいませんので、ネットに音源はありません。

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1. 雨は手のひらにいっぱい (LIVE) / 山下達郎 "12/02/15 岐阜長良川国際会議場"
2. 雨の女王 (LIVE) / 山下達郎 "14/10/07 大阪フェスティバルホール"
3. 夏への扉 (LIVE) / 山下達郎 "16/10/04 新宿LOFT"
4. スプリンクラー (LIVE) / 山下達郎 "13/12/06 新潟県長岡市立劇場"
5. FOREVER MINE (HOME KARAOKE) / 山下達郎 "おうちカラオケ"
6. DRIP DROP (HOME ACAPPELLA) / 山下達郎 "おうちアカペラ"

 

 

私このサンデーソングブックという番組を27年半やってきましたけれども、ここの二月は非常に特異な二月でありました。
今までこんなに自分の曲を、自分の番組でかけたことはありません(笑)
自分で申し上げるのもなんなんですけど、俺こんなに曲持ってたんだって。
今さらながらですけど(笑)
まぁ45年もやってんだから、当たり前なんですけど。
洋楽カバーとか色々ありまして。
それ全部ライブソースでかけ続けてですね、二月やっておりまして、改めて自分のそうしたキャリアを見つめ直すといいましょうか、そういう意味ではですね、いい機会だったと思います。
それに加えまして、私の番組で始まって以来メールで全てのお便りを受け付けるということをずっと続けて。
そんなのも初めてやりまして、本当にたくさんたくさん頂いておりまして。
二月経ちましたので、だんだん皆さん、文章が長くなって(笑)
それ、一所懸命読ませていただいておりますけれども。
今まで、ほんとにハガキオンリーだったんですけれど、ハガキだとやっぱりなかなかこう踏み出せない。メールだと気軽だという方が。
この番組をずっと長くお聴きを頂いているんだけれども、お便りくださるのは初めてという方が本当にたくさん全国からくださいます。
そういう方々のですね、暖かいお便りを拝見しておりまして、本当は先週あたりから、ハガキに戻そうかということを申し上げようと思ってたんですけども、何かどうにかならないかな、なんて(笑)
人数増やしてですね、手伝ってもらうしかありません。
ここから先、そろそろ私も仕事に、本来の仕事に戻るスケジュールが出てきております。
旧譜のリマスターでありますとか、新しい作品のレコーディングとか、新曲を書くとか色々きております。
そうしますと、今の自宅でこうしたメールの山に囲まれて一生懸命読むという、そういう時間的な余裕がなくなってきますので、ちょっと考えてみたいと思います。
この二月間、ずっとライブソースでお聴きをいただいておりまして、それもですね、そろそろレギュラープログラムに戻そうと思ってるんですけども。
このメールのお便りを拝見するにつけですね、こんなに全国津々浦々で、山下達郎の音楽をですね、こんなに生活の中でですね、楽しんでいただいていると、こんな実感したこと実際ないんです。
ですので、そういう皆さん、この番組のリスナー皆さん、私の音楽聴いてくださってる皆さんの、少しでも心のリラクゼーションに貢献したいと思って、この二月間やって参りました。
もうしばらく、お付き合いを頂ければと思います。
というわけで今日も山下達郎ライブソースでお楽しみいただきます。
梅雨入りをしましてですね、なんか梅雨というよりは、熱帯の雨季みたいな感じでございますけども。
でも、梅雨入りで、夏に近づいてくるというので、今日はですね、私も昔から雨の歌がたくさん作ってきまして。雨の歌がすきなので。
『山下達郎ライブで棚からひとつかみ~雨の歌を中心に~』
色々と今日は、雨の歌のライブソースでお楽しみをいただければと思います。
いろんなもの、かけてまいります(笑)

 

雨は手のひらにいっぱい (LIVE) / 山下達郎 "12/02/15 岐阜長良川国際会議場"

私、たくさん雨の歌、作ってきました。
私の作った雨の歌で一番古いものの一つ「雨は手のひらにいっぱい」
シュガーベイブの時代のレパートリーでありますけれども。
でもシュガーベイブ解散してからはですね、ほとんど演奏したことがなかったんですけど、10年前にライブをですね本格的再開した時にですね、早くステージに乗っけたいと思いまして、2012年のツアーで久しぶりに演奏いたしました。
その時のソースでございます。
今日、お聴きをいただきましたのは、2012年2月15日、岐阜に初めてライブに行きまして、長良川国際会議場での「雨は手のひらにいっぱい」でございました。

 

続きましては、ちょっとマニアックなやつをお聴をいただきましょう。
1978年の私のライブアルバム『IT'S A POPPIN' TIME』のために書き下ろしまして、ライブバージョンなんですけど、新曲としてレコーディングしました。
「雨の女王」レイン・クイーンですね・・
これも、ほとんど演奏したことがなかったんですけども、やはり10年前にライブ再開した時に、ちょっとやりたくてですね。
これは2014年に、その名もズバリ「マニアックツアー」という、ヒット曲は一曲もやらないという。
今日は、そのツアーの中からお聴きいただきます。
2014年10月7日大阪フェスティバルホールでの「雨の女王」

雨の女王 (LIVE) / 山下達郎 "14/10/07 大阪フェスティバルホール"

 

お次は今日はたくさんいただきましたが、「夏への扉」
ちょうど、この季節にはいつもリクエストたくさん、いただきますが。
もともとは難波弘之さんに書き下ろした曲で、彼のファーストソロアルバムに書き下ろした曲ですけども、自分で気に入って『RIDE ON TIME』のアルバムにセルフカバーでやっております。
今日はですね、難波弘之、伊藤広規、山下達郎の3人ライブのバージョンでお聴き頂きます。
ライブハウスでこれをやるときは、必ず私が1番を歌って、難波君が2番を歌うという、掛け合いでございます(笑)
この間、難波君からメールが来て(笑)
「あれかけてくんないかな」って自分でリクエストしてくるやつ(笑)
今日は、2016年の10月4日新宿ロフトでの3人ライブ。
私の『RIDE ON TIME』のレコーディングメンバー3人でございますので、全く同じ空気感で演奏ができております。

夏への扉 (LIVE) / 山下達郎 "16/10/04 新宿LOFT"

 

次は「スプリンクラー」、1983年シングルで出しました曲でありました。
私、結構、自分じゃ好きだったんですけども、当時のスタッフはですね、夏だ・海だ・達郎だって夏っぽくないって、なんかいろいろけなされたりしまして。
今おかげさまで、ステージでちゃんとできております
80年代の発売当時の自分の歌よりも、10年前にライブ再開してからの今のメンバーでの自分の歌の方が好きなので、今日はそっちの方で聞いていただきたいと思います。
今日は2013年12月6日新潟県長岡市のホール長岡市立劇場での「スプリンクラー」

スプリンクラー (LIVE) / 山下達郎 "13/12/06 新潟県長岡市立劇場"


さて、もうメディアで皆さんご承知だと思いますけれども、服部克久さんがお亡くなりになりました。
享年83歳。
服部さんは、作曲家であられると同時に、日本の最高峰の編曲技術を持った方でありました。
私は、33年ぐらいお世話になっております。
たくさん仕事させていただきまして、たくさん助けていただきました。
まりやの場合は、さらに長くて40年のお付き合いになります。
竹内まりやの「駅」は、あの服部さんのストリングスのラインなしには決して語れないトラックであります。
本当に、人間的にも音楽的にも、いろんなことを教えていただきました。
本当にいい方でした。
お若い時には、かなり厳しい面もおありの方だと伺っておりますけど、私には、本当に優しくしていただいて、本当にたくさん思い出が残っております。

一番、私にとって思い出深いのは、クリスマスアルバム「SEASON'S GREETINGS」でありまして。
本当に、がっぷり四つで、毎日服部さんのお家へ伺ってですね、ディスカッションしながら作り上げた作品であります。
21世紀に入りましても、本当に色々な所でお世話になりました。
「希望という名の光」のストリングスも素晴らしいラインであります。
今日は、そんな中からですね、1曲。私の取り分けお気に入りの作品であります。
2005年に出しました私のシングル「Forever Mine」
これのストリングスアレンジを服部さんにお願いしまして、ロンドンに行きまして、てギャビン・ライトというペンギン・カフェのコンサートマスター。
アビーロードのスタジオで録りました。
本当に思い出に残る一作でございます。
今日は、それをですね「おうちカラオケ」でお聴きをいただきたいと思います。
これは、オリジナルカラオケの、このストリングスのアンサンブルじゃないと意味がありませんので。
今日は、ちょうどいいかなと。
しかも、この曲は雨の夜の舞台でありますので、ちょうど今日のプログラムにも合致しております。
本当に、心よりご冥福をお祈りしつつ。
この「Forever Mine」
ドラムマシーンとピアノとストリングスにボーカルをかぶせております。
ベースも入っていないという、ちょっと変わったオケですけれども、服部さんのストリングスの持ち味が、遺憾なくなく発揮された素晴らしいオーケストレーションです。

FOREVER MINE (HOME KARAOKE) / 山下達郎 "おうちカラオケ"

 

服部克久さんの特集は、また日を改めてやらせていただきたいと思います。
というわけで...服部克久さん、本当になんか寂しいですね。
もうあのストリングスが聞けないのかと思うと、感慨無量のものがございます。
でもお父様の服部良一さんは、75歳で曲がお書きになれなくなって引退されたんですけども、服部さんは直前までですね、お仕事をされていたという。
インスピレーションと集中力が途絶えなかったという。
その意味ではですね、お幸せな人生だと思います。
心よりご冥福をお祈りしつつ、今日はそろそろお時間でございます。

今日も最後はおうちアカペラでいってみたいと思いますが、アカペラで雨が出てくるのは、『ON THE STREET CORNER 1』に入っております「Drip Drop」
ドリフターズの1958年のヒット曲。
それをカバーしたディオンの1963年のヒットソングにもなりました。
私はディオンのバージョンが本当に好きで、一人アカペラでつくりました。
1980年ですから、もう40年になります。

DRIP DROP (HOME ACAPPELLA) / 山下達郎 "おうちアカペラ"

 

お送りいたして参りました山下達郎サンデーソングブック。
『山下達郎ライブで棚からひとつかみ』雨の歌を中心にお届けをいたしました。
いかがでございましたでしょうか。
来週は、そんなわけで「ごった煮」のライブソースでございますが、番組の中ほどでも申し上げましたみたいに、なかなか不確定でありますので、どういうような形でも対応できるようにですね、色々と準備をして、この先備えたいと思っております。

 

<了>