2019年は2月3日にジョージア州アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアムで開催。
AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)を制したロサンゼルス・チャージャーズと、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)王者のロサンゼルス・ラムズが激突する。
ハーフタイムショーも毎年注目を浴びる。
アーティストにとっては最高の栄誉とされるが、今年はかなり様子が違った。
出演者がなかなか決まらなかったのだ。
2016年に、NFLの試合で国歌斉唱中に起立を拒否したコリン・キャパニック選手は解雇され、他のどのチームも契約を結ぼうとしなかった。
そんなオーナーたちの姿勢に抗議を示すアーティストが後を絶たなかった。
結局のところは、マルーン5、トラビス・スコット、ビッグ・ボーイに決まった。
番組中に流れるコマーシャルも注目の的。
60秒スポットは1本10億円以上と言われるが、多くのスポンサーがこの枠を競うように買い、練り上げたコマーシャルをぶつけてくる。
すでに映像が公開され話題になっているのが、バドワイザーである。
ここになんとボブ・ディランの「風に吹かれて」が使われているのだ。
バドワイザーを製造するAnheuser-Busch InBev.(アンハイザー・ブッシュ・インベブ:ABI)は、100%再生可能エネルギー電力を利用している。
映像には多くの風力発電のプロペラが映し出され、最後にキーメッセージが出る。
Now brewed with wind power
For a better tomorrow
(いま風の力で醸造しています より良い明日のために)
だからディランの「Blowin' in the Wind/風に吹かれて」なのである。
ベタと言えばベタ。でも、知的で粋でカッコいい、と素直に思う。
心地よい映像と音楽の中に、再生可能エネルギーを活かすという企業姿勢が、しっかりと示されている。
おそらく「風に吹かれて」には莫大な使用料がかかったと思うが、制作者にとって、この曲以外にはあり得なかったのだろう。
#この項おわり