おとのほそみち

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山下達郎サンデーソングブック2023年11月26日『ドゥー・ワップ・リクエスト特集Part1』

番組中の曲解説の主要な部分を要約して記しています。
ネットに音源がある楽曲にはリンクを張っていますが、オンエアされた音源とはヴァージョンが異なる場合が多々あります。

1. 君の居場所 (Have a Good Time Here) / 竹内まりや 
2. BLUE MOON / THE MARCELS '61
3. I'M SO IN LOVE WITH YOU / THE HARPTONES  '82
4. MY JELLY BEAN / BOBBY & THE CONSOLES '63
5. UNTIL THEN / THE PENTAGONS '62
6. BRING ME LOVE / THE CLOVERS '56
7. JUST TO BE WITH YOU / THE PARAMOUNTS '63
8. BABY TALK / THE LAURELS '58
9. DON'T ASK ME TO BE LONELY / TATS YAMASHITA  '99
10. SHE'S GONE (WITH THE WIND) / TATS YAMASHITA  '00

 

先週の「ドゥー・ワップで棚からひとつかみ」、それの延長で今週は「ドゥー・ワップでリクエスト」

その前に、竹内まりや、ニューシングルが12月30日発売。
Netflixで配信されるポケモンの完全新作ストップモーション・アニメ「ポケモンコンシェルジュ」の主題歌。
君の居場所 (Have a Good Time Here) / 竹内まりや


まず大ヒットナンバー。
ザ・マーセルズはピッツバーグの黒人白人混成のグループ。
「BLUE MOON」は1961年、全米NO.1。スタンダードナンバーをアップ・テンポのドゥー・ワップに変身させて大受けした。
先週オンエアしたザ・バインダーズのリード・ヴォーカルのコーネリアス・ハープがリード・ヴォーカル。
今、マーセルズの「BLUE MOON」をCDでかければほとんどステレオ。でも「BLUE MOON」はモノラルのシングルバージョでないと迫力が出ないのでモノラル・ヴァージョンで。
BLUE MOON / THE MARCELS 

 

今年のライヴの開演前にかけていた曲にリクエスト。
1982年のザ・ハープトーンズ、ドゥーワップの中のドゥーワップグループだが、彼らのアルバム『LOVE NEEDS』に入っている私の大お気に入りの一曲「I'M SO IN LOVE WITH YOU」。
リアル・ステレオのいい録音。
リードヴォーカルはウィリーウィンフィールド。彼らのヒット曲の大部分を書いているラウル・チタの作品。
若い人をバックに歌っているがハープトーンズのレコード。
I'M SO IN LOVE WITH YOU / THE HARPTONES  

 

次も今年のライヴの開演前の曲。
歌っているのはボビー&ザ・コンソールズで、曲は「MY JELLY BEAN」、63年のシングル。
ボビーの本名はボビー・ペドリックで、のちのロバート・ジョン。
若い頃から子役とか芸能界で働いていて、70年代にロバート・ジョン名義で「ライオンは寝ている」が大ヒットして、日本でも知られるようになった。
60年代初めのホワイト・ドゥー・ワップのムーブメントの中から生まれた作品。
MY JELLY BEAN / BOBBY & THE CONSOLES 

 

ザ・ペンタゴンズはウェスト・コーストの黒人ヴォーカル・グループ。「To Be Loved」というヒット曲で有名。
彼らの最末期、1962年の「UNTIL THEN」。
今日かけてる曲は、2018年に私が監修した『ドゥー・ワップ・ナゲッツ』に、権利関係で入らなかった曲ばっかり。
UNTIL THEN / THE PENTAGONS 

 

ザ・クローバーズはアトランティック・レーベルの代表的なグループ。
1956年のシングル・オンリーの「BRING ME LOVE」に、しつこいリクエスト。
BRING ME LOVE / THE CLOVERS 

 

次も今年のライヴの開演前にかけた曲。
もともとは1959年のザ・パッションズのヒット・ソング。
この曲をカヴァーしたのがザ・パラマウンツ。こちらの方が出来が良い。1963年のリリース。
ザ・パラマウンツはたくさん同名のグループがいて、これはニューヨークのブロンクスの白人ドゥー・ワップ・グループだというデータが80年代、90年代にあった。最近はネットではそうではないという人がいて、実際4つのザ・パラマウンツが存在しているとかで、本当のことはわからない。
でも声を聞くと、ブロンクスの白人ヴォーカルグループだと思う。とても上手い。
テネシーにもザ・パラマウンツというグループがあるが、ロバート・ナイトが率いる黒人のグループがある。
JUST TO BE WITH YOU / THE PARAMOUNTS 

 

ザ・ローレルズはブルックリンの白人ヴォーカル・グループ。
1958年のシングル「BABY TALK」を、翌1959年にウェスト・コーストのジャン&ディーンが出してベスト10ヒットになった。
だから、ジャン&ディーンのヒットとして知られるが、実際はローレルズが先。
BABY TALK / THE LAURELS 

 

私の1999年のアルバム『ON THE STREET CORNER 3』に入ってる「DON'T ASK ME TO BE LONELY」。
もともとはニューヨークのドゥー・ワップ・グループ、ダブスの1957年のヒット曲のカヴァー。
DON'T ASK ME TO BE LONELY / TATS YAMASHITA  

 

『ON THE STREET CORNER 0』のアナログ盤より「She's Gone」のリクエスト。
1999年に『ON THE STREET CORNER』の1,2をCDリマスタリングして再発し、その時に『ON THE STREET CORNER 3』も出して、アナログも出した。
そのアナログを3枚全部購入した人に、『ON THE STREET CORNER 0』というアナログ盤を進呈した。
いわゆるレアものが入っている。
ファイヴ・サテンズの「She's Gone」は私が大好きな作品。
これアカペラでやろうと思ったが、ちょっとメロディーの構造に問題があってアカペラでできなかった。
数少ない演奏付きの私のドゥー・ワップバージョン。
SHE'S GONE (WITH THE WIND) / TATS YAMASHITA