おとのほそみち

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山下達郎サンデーソングブック2023年12月3日『ドゥー・ワップ・リクエスト特集 Part2』

番組中の曲解説の主要な部分を要約して記しています。ネットに音源がある楽曲にはリンクを張っていますが、オンエアされた音源とはヴァージョンが異なる場合が多々あります。

 

1. BRIGHTEN UP YOUR DAY ! / 竹内まりや
2. POOR ROCK 'N ROLL / THE NOBLES '57
3. OH MY ANGEL / BERTHA TILLMAN '62
4. COULD THIS BE MAGIC / THE DUBS '57
5. REMEMBER THEN / THE EARLS '63
6. RAINDROPS / THE VERNALLS '58
7. HOMEWORK / THE CLASSMATES '61
8. LOOKING FOR AN ECHO / THE PERSUASIONS  '58
9. REMEMBER ME BABY / TATS YAMASHITA  '80
10. SO MUCH IN LOVE (LIVE) / TATS YAMASHITA "郡山市民文化センター 86/10/09"


本日も最高の選曲と最高の音質でドゥー・ワップをお届け。
その前に、12月20日竹内まりやさんニューシングルが発売。
「君の居場所」カップリング・ウイズ「Brighten up your day !」
「君の居場所」は12月28日からNetflixで配信されるストップモーション・アニメ「ポケモンコンシェルジュ」の主題歌。
カップリングには今年の4月からオンエアされているテレビ朝日系「大下容子ワイドスクランブル」のメインテーマ『Brighten up your day !』が収録。
クリスマスシーズンなので、それに加えておなじみ「すてきなホリデイ」。
そしてアルバム『QUIET LIFE』から「The Christmas Song」2曲のクリスマスソング加えカラオケ含めて8トラックのニューシングル。
今週はカップリングの方をフルバージョンで。
BRIGHTEN UP YOUR DAY ! / 竹内まりや

 

まずは、やはり今年の私のライブの開演前の音源からのリクエスト。
ザ・ノーブルズはコネチカット州ニューヘブンの白人ボーカルグループ。
いわゆる10代のティーンズのグループで、ストリートグループ。
ずいぶん老けた声をしているが上手い。
これは1957年の作品。
POOR ROCK 'N ROLL / THE NOBLES

 

次はバラードもの。
私が監修した「ドゥーワップ・ナゲッツ」に収録されている。
バーサ・ティルマンはテキサス生まれだが、カリフォルニアのサンディエゴに出てきて働いていたところをスカウトされて歌手になった。1962年、全米チャート61位のヒット。
その筋では有名な一曲「OH MY ANGEL」。
OH MY ANGEL / BERTHA TILLMAN 

 

日頃からドゥワップにリクエストもらうが、多いのはザ・ダブス。
私が「CHAPEL OF DREAMS」とか、やっているからだと思う。
ダブスは全米チャートインしたのが3曲あるが、その最初の曲。
残りの曲は私がやっている「DON'T ASK ME TO BE LONELY」と「CHAPEL OF DREAMS」。
もう一曲が、1957年、全米チャート23位の「COULD THIS BE MAGIC」。
当時にしては、ずいぶんモダンなつくり。
COULD THIS BE MAGIC / THE DUBS 

 

ジ・アールズはブロンクス出身の白人グループ。ドゥワップではたいへん有名な、1962年の「REMEMBER THEN」。
シャナナなんかのカヴァーも有名。
リード・ヴォーカルのラリー・チャンスは先日亡くなったので、その追悼として。
REMEMBER THEN / THE EARLS 

 

この曲も開演前に何回かかけた、私の大好きな作品。
ザ・ヴァーナルス、1958年の作品だが、実態がほとんどわからないグループ。
非常にインティな音作りで、こういう音が好きなので、死ぬほど聞いてきた。
リード・ヴォーカルは女性。こういう曲を80年代にかけると「音が悪い」というようなクレームが来たこともあるが、90年代からでは、いわゆるラップ・ヒップ・ホップ・シーンが発達して、インディのものがものすごく出てきたので、今は、こういうのをかけてもで、あんまりそういう抵抗がない。
世の中、良い方に変わったと思います(笑)
RAINDROPS / THE VERNALLS 

 

ザ・クラスメイツはブルックリンの白人ヴォーカル・グループ。
バリー・マンとハンク・ハンターの共作による1961年の「HOMEWORK」。1
バリー・マンの奥さんのシンシア・ワイルが最近亡くなったときにリクエストが来ていた。
HOMEWORK / THE CLASSMATES

 

ケニー・ヴァンスに関する曲へリクエスト。
ジェイとアメリカンズのオリジナル・メンバーで、そこからずっと息長く70年代まで活躍した。
1975年にシングルして発売したのが「LOOKING FOR AN ECHO 」。
その後、この曲は98年の映画「LOOKING FOR AN ECHO」(邦題「奇跡の歌」)のテーマソングとして使われた。
それで日本では大変有名だが、元々はケニー・ヴァンスの作品。
この2年後にパースエーションズ、アカペラのグループだが、彼らが77年のアルバムでカバーして、それが後にスパイク・リー監督の映画「Do It A Cappella」に採用されて、リクエストした方の耳に届いたという。
今日はそういうわけでパースエーションズの1977年の「LOOKING FOR AN ECHO」
これを作ったのは、リチャード・レイヒェグ(Richard Reicheg)という人で、俳優でソング・ライターという、ひと時代前の人だが、やっぱりブルックリン生まれのニューヨーカーなので、こういったノスタルジックの曲を作る背景があった人。
LOOKING FOR AN ECHO / THE PERSUASIONS 

 

で先週と同じように自分のアカペラを。
私の「ON THE STREET CORNER 1」から「REMEMBER ME BABY」へのリクエスト。
オリジナルはジ・アールズでバリー・マンのペンになる作品。今日はおうちアカペラ・ヴァージョン。
REMEMBER ME BABY / TATS YAMASHITA

 

今日の最後は「SO MUCH IN LOVE」。
これは古い音源で86年10月9日郡山でのライブ。あのシアターライブに使用した音源でもある。

3週間もやっちゃったドゥー・ワップ・リクエスト特集、ご清聴ありがとうございました。

SO MUCH IN LOVE (LIVE) / TATS YAMASHITA