おとのほそみち

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【JAZZ新譜】NYラテン・ジャズの大御所が放つ快作 ...dreaming in lions / Arturo O’farrill (2021)

ドリーミング・イン・ライオンズ / アルトゥーロ・オファリル

ラテンロックしかり、ラテン歌謡しかり。
「ラテン」と名のつく音楽には目がない私なので、当然ラテンジャズも大好物である。

アルトゥーロ・オファリルは、ニューヨークで最も評価が高いラテン・ジャズ・ビッグバンド<アフロ・ラテン・ジャズ・オーケストラ>のリーダーであり作曲家。

グラミーを何度も獲っている大御所である。

そのオーケストラからメンバーを少し減らし、10人でのアンサンブルで録音したのが、このアルバムだ。

コロナ禍で何らかの人数的な制約があったのか、小回りの効くユニットにしたかったからか、その理由はよくわからないが、たいへん切れ味よく軽快で、心身を踊らせてくれる快作である。

そりゃまあ、迫力はフルアンサンブルにかなわない。
しかしグルーヴの小気味よさとか、ソロの出入りの楽しさは、規模が小さめだからこそ。

リズムパターンがくるくる変化する「Dreaming In Lions: Scalular」という曲などは、フル編成でやるのも無理ではないだろうが、やはり小編成のほうが小回りが効くだろう。

アルトゥーロ・オファリルの父、チコ・オファリルも高名な作曲家で、息子二人はこのアンサンブルのトランペットとドラムだという、素晴らしき音楽一家。

機会があればぜひ野外のライヴで聞いてみたいものだ。初夏に、ビール片手に。

 


<了>

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