昨年(2018年)の秋、惜しくも他界した、シカゴブルースの凄腕ギタリスト&ヴォーカリスト、オーティス・ラッシュ。
1975年に「第3回ブルース・フェスティバル」出演のために初来日した。
オーティスのほか、ジミー・ダウキンス、ビッグ・ジョー・ウイリアムス、リトル・ブラザー・モンゴメリーも、このフェスに参加している。
このツアーの日程がなかなかすごい(会場の名称は当時のもの)。
07.20. 東京・日比谷野外音楽堂
07.21. 札幌・中島公園野外ステージ
07.23. 広島・郵便貯金ホール
07.24. 福岡・電気ホール
07.25. 大阪・厚生年金会館大ホール
07.26. 名古屋市公会堂
07.27. 京都・円山公園野外音楽堂
07.28. 横浜公園野外音楽堂
07.29. 東京・日比谷野外音楽堂
札幌から広島の移動は、さすがに中一日だが、あとは連日のライブ。
関東で計3回、関西で2回やっている。
それだけの人気があったということなのだろう。
いま、ブルースミュージシャンの来日公演をやっても、これほどのツアーは組めないように思う。
ライブ盤は、日比谷野外音楽堂の20日、29日の演奏からチョイスしたもののようだ。
ちなみにクレジットのスーパーバイザーの欄に日暮泰文さんの名前がある。
LPがリリースされたのは1978年で、わりと期間が空いた。
収録は全8曲で、このときのジャケットはイラストだった。再発時に写真になる。
A1.Will My Woman Be Home Tonight (Blue Guitar)
A2.Every Day I Have The Blues
A3.I Can't Quit You, Baby
A4.Crosscut Saw
A5.Looking Back (Take A Look Behind)
B1.All Your Love I Miss Loving
B2.So Many Roads
B3.Gambler's Blues
B4.Three Times A Fool
メンバーはオーティスのほか3人。
Bass – Sylvester Boines
Drums – Tyrone Centuray
Guitar – Jimmy Johnson
バックの演奏はちょっとゆるいというか、グルーブが弱いが、主役であるオーティスの歌とギターはなかなかのもの。
出来不出来の差が激しい人だと伝えられるが、この日は良かったほうなのだろう。
セットリストの中でユニークなのは「Chitlins Con Carne」だ。
これはジャズギターの名手ケニー・バレルの曲で、かの名盤『Midnight Blue』(1963)の1曲目がこの曲である。
なぜオーティスがこの曲を選んだのかわからないが、のちにスティーヴィー・レイ・ヴォーンなどもカバーしている。
ブルースギタリストの琴線にふれる要素があるのかもしれない。
さて、「So Many Roads (Live In Concert)」はCD化されて、4曲が追加となった。(冒頭のイントロは含めず)
1.Introduction 1.Introduction
2.Will My Woman Be Home Tonight (Blue Guitar)
3.Every Day I Have The Blues
4.I Can't Quit You, Baby
5.Crosscut Saw
6.Looking Back (Take A Look Behind)
7.Chitlins Con Carne
8.I've Got News For You
9.Mean Old World
10.All Your Love (I Miss Loving)
11.So Many Roads
12.Gambler's Blues
13.Three Times A Fool

So Many Roads : Live in Concert
- アーティスト: Otis Rush
- 出版社/メーカー: DELMARK
- 発売日: 2002/12/11
- メディア: CD
ブルースファンなら、チェックしておきたい1枚である。
<了>