ラヴ・クォンタム / シオ・クローカー
次世代ジャズのトップランナーが放つ7作目
シオ・クローカーは2006年にデビューしたフロリダ出身のトランペッター。
2019年にはグラミー賞にノミネートされている。
伝統的なジャズと現代的なヒップホップ、テクノをミックスしたスタイルが持ち味で、イマドキのジャズの代表的なプレイヤーの一人である。
『Love Quantum』は通算7作目のアルバム。
とにかく物語性のあるサウンドの構築力に秀でた人で、パラレルワールドを行き来するかのような色彩感のある音のうねりの中に、絶妙のタイミングでトランペットが叫び、そのたびに鳥肌が立つ。
まちがいなく今日的なジャズではあるのだが、一方でシオ・クローカーは、アフリカン・アメリカンの音楽を強く意識してきた人でもあるから、本作はその最新鋭の姿だとも言える。
月並みな表現だが、マイルスが1990年代以降も音楽活動を続けていたら、こうした作品をつくっていたかもしれない。
01. LOVE QUANTUM (Prelude)
02. JAZZ IS DEAD
03. TO BE WE
04. ROYAL CONVERSATION
05. COSMIC INTERCOURSE (Pt. II)
06. HUMANITY
07. DIVINITY
08. LOVE THYSELF
09. LOVE QUANTUM (Soliloquy)
10. SOMETHIN'
11. SHE'S BAD
<了>
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