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ジャニーズのミリオンセラーシングルは22作品 : 最多はSnow Manの5作品

※「ジャニーズ」の名称は2023年10月17日をもって使用されなくなりましたが、本原稿はそれ以前の2023年5月に書かれたものです。ご了承ください。

 

【2020年以降のミリオンは10作品、半分がSnow Man!】

ミリオンシングルとは、文字通り100万枚以上の売上を記録したシングルを指す。

ジャニーズに所属しているアイドルグループの人気からすれば、ミリオンなんてたくさんあるはず、と思う方がいるかもしれないが、意外とそうでもない。

100万という数字は、そう簡単に手が届くものではないのだ。

たとえば、かつて人気絶頂だった田原俊彦にも光GENJIにも、ミリオンはない。

そして、2006年のKAT-TUN『Real Face』を最後に、ジャニーズからのミリオンは長らく出ていなかった。

そもそもCDが爆発的に売れる時代ではなくなってきているし、K-POPやアニソンなど音楽ファンの趣味嗜好も多様化している。

ジャニーズといえども、この先もはやミリオンは無理なのでは。

ジャニー喜多川さんが亡くなった2019年時点ではそう思っていた。

ところがだ。

翌2020年、約15年という長いブランクを経て、ジャニーズによるミリオンが立て続けに登場する。

なかでも破格のセールスを叩き出しているのが、Snow Manだ。

Snow Manは、これまで8枚のシングルをリリースしているが、そのうち半分以上の5枚がミリオンという快挙を成し遂げている。

まだセールスが伸びている作品もあるので、枚数を記すのは控えるが、以下の作品がミリオンである。

「D.D./Imitation Rain」<Snow Man vs SixTONES名義>(2020年01月)

「KISSIN' MY LIPS / Stories」(2020年10月)

「Grandeur」(2021年01月)

「HELLO HELLO」(2021年07月)

「タペストリー / W」(2023年03月)


King & Princeも忘れてはならない。

2018年5月23日にリリースされたデビューシングル『シンデレラガール』が、なんと約5年をかけて、2023年5月にミリオンを達成した。2022~23年にミリオンを連発しており、これで合計3作品がミリオンとなった。

 

「シンデレラガール」(2018年5月)

「ツキヨミ/彩り」(2022年11月)

「Life goes on/We are young」(2023年2月)


また、SixTONES「Imitation Rain/D.D.」も、2020年のミリオンだ。


そして2020年以降のミリオンとして、嵐「カイト」(2020年7月)も印象深い。

意外なことに嵐のミリオンシングルはこれが初。58作目にして、やっとである。

冒頭に書いたように、国民的なアイドルである嵐でさえ、そうそうミリオンには届かないのだ。


AKB、乃木坂の全盛期は、それこそ“出せばミリオン”だったわけだが、2020年以降はその勢いを失った。

AKBは2020年の「失恋、ありがとう」、乃木坂はも同年の「しあわせの保護色」がいまのところの最後のミリオンだ。

今後、仮に“握手商法”などが復活すれば話は別だが、今後ミリオンを連発するのは難しいと思える。

そう考えれば、Snow Manらジャニーズ勢のセールスは、やはり飛び抜けているのだ。


【ジャニーズ初のミリオンは近藤真彦、最高記録はSMAP】

ここからは2019年までのミリオンを振り返っておこう。

とはいっても2007年から19年までのあいだのミリオンはゼロ。

1980年から2000年代半ばまで、約25年間のあいだに12作品ある。

枚数は5、10の単位で区切っており、最多に向けてカウントダウンしている。

繰り返すが、ここには近年の記録であるSnow Manらは含まれていない。


明日が聴こえる/J-FRIENDS 約100万枚(1998年)

J-FRIENDSは阪神・淡路大震災の復興支援の一環として、震災から2年後の1997年に結成されたスペシャルユニット。
TOKIO、V6、KinKi Kidsのメンバー総勢13名が参加した。
ちなみにカップリングの「Childrens Holiday」は、マイケル・ジャクソンの提供曲で、これも売上につながったように思える。


フラワー/KinKi Kids 約105万枚(1999年)

KinKi Kidsの7枚目のシングル。
ANA「'99パラダイス沖縄」キャンペーンCMソングである。
ちなみに、この年の紅白歌合戦に彼らはゲスト出演し、少しだけこの曲を歌っている。

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Real Face/KAT-TUN 約105万枚(2006年)

KAT-TUNのデビューシングルにしてミリオン。
デビュー時にいかに勢いがあったかわかる。
結成からすでに数年経っていたので、ファンの待ち焦がれ感も強かったのだろう。
曲はB'zの松本孝弘、詞はスガシカオというすごいコンビ。


スニーカーぶる~す/近藤真彦 約105万枚(1980年)

1990年以前の唯一のジャニーズミリオンであり、ジャニーズ史上初のミリオンでもある。
近藤真彦のデビューシングルで、たのきんトリオが主演した映画『青春グラフィティ スニーカーぶる〜す』の主題歌。
ちなみに、オリコン史上で初めて「デビューシングルで初登場1位」を獲得した作品でもある。


慎吾ママのおはロック/香取慎吾 約110万枚(2000年)

バラエティ番組『サタ☆スマ』に登場した“慎吾ママ”というキャラクターから生まれた楽曲。
渋谷系の鬼才、小西康陽がプロデュース、作詞・作曲を担当。130万枚説もある。
ミリオンの条件の一つとして、リスナー層の裾野の広さがあるが、この曲は子育てママ層や、子どもたちにも支持された結果だろう。


全部だきしめて・青の時代/KinKi Kids 約115万枚(1998年)

キンキ4枚目の両A面シングル。
「全部だきしめて」は音楽バラエティ『LOVE LOVE あいしてる』のテーマソング。
「青の時代」は堂本剛主演のドラマ『青の時代』の主題歌。
「全部だきしめて」はキンキのシングルが大ヒットしたため、キンキのオリジナル曲として認識されがちで、実は私もそう思い込んでいた。
しかし実際は、この曲の作者である吉田拓郎がキンキのシングルリリースより先に、ライブビデオおよびCDアルバムで発表しているため、キンキのはカバーということになる。


らいおんハート/SMAP 約155万枚(2000年)

SMAPの32枚目のシングルで、草彅剛主演のドラマ『フードファイト』の主題歌。
なのに草彅のソロパートがないのは、どうしてだったのか....
作詞は売れっ子の脚本家で、このドラマの企画者でもあった野島伸司。

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夜空ノムコウ/SMAP 約160万枚(1998年)

SMAPが続くが、これが彼らの27作目にして初ミリオン。
このランクになると、ファン以外の人でも聞き覚えがある曲ばかりだろう。
バラエティ番組『SMAP×SMAP』のテーマ曲で、中学校の音楽の教科書に掲載されたこともある。
作詞したスガシカオがセルフカバーしている。


青春アミーゴ/修二と彰 約160万枚(2005年)

亀梨和也 (KAT-TUN) と山下智久 (当時NEWS) による期間限定ユニット・修二と彰の最初のシングル。KAT-TUN「Real Face」の前年なので、亀梨にとっては本作が初のCD。
二人が共演したテレビドラマ『野ブタ。をプロデュース』主題歌。
この曲、1980年代ぽくて、マッチの曲とかを連想させる。


愛されるより愛したい/KinKi Kids 約165万枚(1997年)

彼らのセカンドシングルで、二人が主演したドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』の主題歌。デビュー曲のイメージを、うまく受け継ぎ活かした。


硝子の少年/KinKi Kids 約180万枚(1997年)

キンキ強い。
いわずとしれた彼らのデビューシングルにして最大のヒット曲。
松本隆による詞と「硝子の少年」というタイトルが、彼らのイメージを決定づけた。曲は山下達郎。あえて流行を追わない、歌謡曲的な情趣を感じさせるメロディラインが素晴らしい。編曲も達郎氏なので、楽曲の総合的な完成度がさらに高まった。
個人的にはジャニーズの楽曲でいちばんの名曲だと思う。


世界に一つだけの花/SMAP 約310万枚(2003年)

2003年にリリースされた35枚目のシングルだが、SMAP解散に伴ってセールスを伸ばし、300万枚を超えた。
詞曲は槇原敬之。ジャニーズという枠を超えて広く愛された、平成を代表する名曲。
300万枚という数字は破格中の破格で、日本のポップス・歌謡曲史上、「およげ!たいやきくん」「女のみち」と合わせて、たった3作品しかない。
200万枚超えも、サザンの「TSUNAMI」、福山雅治「桜坂」(どちらも2000年)が最後で、もう20年以上出ていない。
サブスクなどネットでの視聴が拡大しつつあることを考えれば、この先、300万という数字は事実上無理ではないか。


こうしてみるとSMAPとキンキの強さが目立つ。
キンキはミリオンが4曲。
SMAPは3曲で、慎吾ママを加えれば4曲になる。

これをSnow Manは抜いてしまったわけだから、やはり快挙というほかない。

今後、ジャニーズからどんなミリオンが誕生するのか、引き続きウォッチしていきたい。

 

長い記事にもかかわらず、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 <了>

 

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