ライヴ・イン・パリ / ヒューストン・パーソン
今年87歳になるベテランサックスプレイヤー、ヒューストン・パーソン。
60年代、70年代のPrestige時代は、ファンキーで豪快な演奏が持ち味だったが、90年代に入りHigh Noteと契約を結んで以降は、しっとりと美しく、聞く者を包み込むようなフレージングでサックスファンを魅了してきた。
年齢的にも円熟の極みにある彼が、2019年9月8日、パリのジャズ・アラビレット・フェスティバルに出演した時の録音が、この『Live In Paris 』
ピーター・バーンスタイン(g)、ベン・パターソン(org)、ウィリー・ジョーンズ3世(ds)という、ベースレスでオルガンとギターをフィーチャーしたカルテット編成によるものだ。
このフォーマットで彼は何度もレコーディングしていて、それは、ゆったりとしてメロウなテナーの節回しが、見事に活かされる編成だからだろう。
このライヴは「追憶」「サニー」など、スタンダード曲が中心で、どの演奏も実に滋味深くコクがある。
ゆったりと安心して身を委ねていられる、そんな一枚。
ヴィンテージな印象のジャケットもいい。
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