“ギル・スコット・ヘロンの後継者”アンソニー・ジョセフの新作
ポエトリー・リーディングとジャズやファンクを融合させた、その原点にいるのが、ギル・スコット・ヘロンやラスト・ポエッツ。
その系譜を現在に受け継ぐ存在が、アンソニー・ジョセフだ。
トリニダード・トバゴ出身、英ロンドンを拠点に活動する詩人/小説家/ミュージシャンである。
2000年代半ばより音楽活動を始め、2007年に『レッゴー・デ・ライオン』でアルバム・デビュー。
以降、コンスタントに作品をリリースしている。
トリニダード・トバゴ出身、英ロンドンを拠点に活動する詩人/小説家/ミュージシャン。
基本にあるのはスピリチュアルジャズだが、作品によって、ファンクあり、レゲエあり、フリージャズあり、カリビアンあり、アフロありと、非常に多面的。
それは彼に限らず、近年のUKジャズに顕著な傾向のひとつであることは、いうまでもない。
本作には、シャバカ・ハッチングスやデニス・バプティストなど、現在のUKジャズのキーパソンらが参加。
重層的な音のレイヤーの中から、切っ先するどいソロが立ち上がってくるさまは、鮮やかでスリリング。
そして、何と言っても主役のアンソニー・ジョセフのポエトリーリーディングは、非常にエモーショナルで不思議な高揚感がある。
そのメッセージの中身まで理解するほどのヒアリング能力は、残念ながら持っていないのだが、それでもじゅうぶんに説得力を感じることができる。
1 Kamau 8:40
2 Calling England Home 6:14
3 Maka Dimweh 6:45
4 Language (Poem For Anthony McNeill) 10:38
5 Swing Praxis 5:32
6 The Gift 4:47
<了>
このほかのジャズアルバム紹介記事はこちら