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【JAZZ新譜】ジャズ・ヴォーカル界の超新星デビュー Bones / Michael Mayo (2021)

ボーンズ / マイケル・マヨ

Bones

Bones

Amazon

 

父親のスコット・マヨは、アース・ウィンド&ファイアーのサックスプレイヤー、母親は、現在ダイアナ・ロスのバックコーラス。

両親がスティービー・ワンダー、ダイアナ・ロス、ルーサー・ヴァンドロス、ビヨンセなどのビッグネームと共演するのを聞きながら育ったというサラブレッドだが、本人の音楽的なベースはR&Bではなく、ジャズ。

とはいえ、ジャズのモードを基本にしながらも、R&Bやヒップホップなど、現在のさまざまな音楽を取り込んでいるのが、彼の持ち味だ。

ずば抜けたヴォーカルテクニックは、誰もがボビーマクファーリンを思い起こすだろうが、いわゆる生歌だけにこだわらず、プログラミングなども自らこなすあたりは、やはり現在の20代のミュージシャンならでは。

両親の人脈を活かせば、著名なミュージシャンを集めることができただろうけれど、参加しているのは同世代の無名なミュージシャンばかり。

ただ、プロデュースは、ノラ・ジョーンズ、J・ディラ、ロバート・グラスパーらを手掛けたイーライ・ウルフで、ここは実績ある彼の手腕を必要としたのだろう。

イマドキ感のあるビートの上を、マヨのヴォーカルが縦横無尽に走る。

アクロバティックな歌唱が耳を引くが、しっとりウエットに唄い回すところもあって、緩急は見事。

あと、コーラスの入れ方のセンスが、ものすごく良いと思った。和声も、音響感も。

 


Vocals, Beatboxing, Programming, Vocal Percussion – Michael Mayo
Keyboards, Synthesizers, Piano – Andrew Freedman
Electric Bass, Synth Bass – Nick Campbell
Electric Guitar – Andrew Freedman(Tracks:9), Nick Campbell (Tracks: 7)
Drums- Robin Baytas (Tracks: 1-3, 5, 7-10)
Programming – Eli Wolf (Tracks: 6, 8)
Vocals – Scott Mayo (Tracks:11)
Vocals- Valerie Pinkston (Tracks:11)

 

1.The Way
2.You and You
3.Another Love
4.Stolen Moments
5.About Your Love
6.Silver and Gold
7.Robot Man
8.20/20
9.Bones
10.What's My Name
11.Hold On

 

<了>

 

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