おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也

ユーミンの「中央フリーウェイ」に影響を与えた(とおぼしき)プレスリーの曲について

2018年末の紅白歌合戦での活躍が好評をもって迎えられたユーミン
そのユーミンの名曲「中央フリーウェイ」について、なぜかあまり指摘されないことを、書いておきたい。

ユーミンの、これも名曲「翳りゆく部屋」に、イギリスのロックバンド、プロコルハルムの「青い影」の影響が強くうかがえるのは、わりとよく知られている話。ユーミン自身も認めているはずだ。

これと同じような関係で、「中央フリーウェイ」に大きく影響を与え、着想のベースになっていると思われるのはエルビス・プレスリーの「エンジェル(僕のエンジェル)」という曲である。
1962年「Follow that Dream(夢の渚)」とのカップリングで全4曲入りのEPとしてリリースされ、全米5位を記録している。

あまり似てないんじゃない?と思うかもしれない。テンポが遅いからだ。

で、この曲をイギリスのクリフ・リチャードが1965年にカバーしている。
こちらはテンポが上がって、特にサビのところは「中央フリーウェイ」のメロディに近い印象だ。


断っておくが、これは決してパクリを指摘しているのではない。楽譜のオタマジャクシを比べれば重なる部分はほんのわずかで、あくまでも曲の構成、展開が近いということだ。
むしろ、ごくごく素朴なアメリカン・ポップである「エンジェル」をベースにしつつ、とてつもなく複雑なコード進行をあてて(かつ、それを感じさせずに)洒脱なシティポップに仕上げているところが、ユーミンユーミンたる才能なのだ。

ちなみにプレスリーの「エンジェル」は山下達郎もアカペラでカバーしている。
きっと、この世代のミュージシャンにとって、とても印象深く、愛着がある曲なのだろう。

 

#この項おわり