yo-inって何だ?と思っていたら、ドラマー木村万作の新しいユニットだそうだ。
木村は、日本を代表するフュージョンバンド、PRISMの中心メンバーであり、近年は小田和正のサポート活動でも知られる。
PRISMといえば、2021年、惜しくもギタリストの和田アキラが永眠された。
長らく聞いてきたバンドだけに、たいへんショックだった。
改めてご冥福をお祈りします。
さて、yo-inのメンバーは、ベースにはKANGAROOに在籍していた松田俊郎、フルートの太田朱美、ピアノとキーボードの生出珠美という顔ぶれ。
JAZZにグルーピングしているけど、インストゥルメンタル・ミュージックであり、ラウンジ・ミュージックと言ってもよい。
編成からわかる通り、リードを担っているのは主にフルートで、第一印象としては優美で爽やか。
繊細で、耳馴染みがよく、ありていに言えば癒やし系のサウンドといえる。
木村万作のドラムはあまり前に出ず、松田のベースと共にボトムを支えるのに徹している感じだが、フルートの歌心の引き立て方が、さすがに上手い。
全体にややおとなしく優等生的な感じもするが、それが、このユニットの持ち味なのだろうし、考えてみれば、似たタイプのユニットは他に思いつかない。
というか、昔はヒューバート・ロウズとかデイヴ・バレンチンとかの作品にあったんだけど、最近は、この種の作品は耳にしなくなった感じ。
だから新鮮に、清々しく聞こえるのだろう。
最近(でもないか)のフルートでは、女性ラテン・フルート奏者、アンドレア・ブラッチフェルド(Andrea Brachfeld)『Brazilian Whispers』が耳に残ったが、この『余韻』は、またタイプの違うフルートで、とても心地よく聞いた。
<了>
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