おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック2023年6月11日『リクエスト特集』

番組中の曲の解説部分を要約して記しています(青字部分は書き起こし)。貼り付けている音源は、オンエアされたヴァージョンとは違うことが多々あります。

 

1. DAYDREAM / 山下達郎 '80 
2. LONELY TOO LONG / THE YOUNG RASCALS '66
3. RIVER DEEP, MOUNTAIN HIGH (1973 VERSION) / IKE & TINA TURNER "NUTBUSH CITY LIMITS" '73
4. BLACK COFFEE / IKE & TINA TURNER "FEEL GOOD" '72
5. TAKE ME TO THE RIVER / SYL JOHNSON "TOTAL EXPLOSION" '75
6. YESTERDAY, WHEN I WAS YOUNG / ROY CLARK '69
7. YOU GOT TO BE THE ONE / MARYANN FARRA & SATIN SOUL "NEVER GONNA LEAVE YOU" '75
8. TILL THEN / THE MILLS BROTHERS '44
9. CHEER UP! THE SUMMER / 山下達郎 "ソフトリー" '22


私のこのサンデーソングブック、1992年10月に放送した後、最初はサタデーソングブックとして始めましたが、おかげさまで本日6月11日、1600回迎えることになりました。
長寿番組でございます。
31年目。
1600回に到達致しましたのも、ひとえにリスナーの皆様のおかげでございます。
誠に厚く厚く御礼を申し上げます。ひきつづき、よろしくお願いします。

「RIDE ON TIME」のアナログ再発、先週6月7日。
おかげさまで、またご好評いただいております。引き続きよろしくお願いいたします。
43年前のアナログ再発。
正直申し上げてですね、理由がわかっておりません(笑)
すごい時代だなと思いますが、ありがたいことでございます。
完全生産限定ですのでお早めにどうぞ。
1980年の私のアルバム「RIDE ON TIME」からおなじみ「DAYDREAM」
DAYDREAM / 山下達郎


私が生まれて初めて買ったアルバムが、ヤング・ラスカルズのセカンド・アルバム『COLLECTIONS』。
ここからのシングル・カットで「LONELY TOO LONG」。
アルバム・ヴァージョンは2分59秒だが、当時はそれでも長いので2分半以内に縮められた。
1967年、全米16位。
LONELY TOO LONG / THE YOUNG RASCALS


大物の方の訃報が届きまして。
ティナ・ターナー、享年83歳。
大往生であります。
私、自伝なんかも読みましたけど、いろいろな苦労を経てですね、素晴らしいキャリアを残しました。
ティナ・ターナーは素晴らしいシンガーで、この人の歌、何を聞いてもつまらないというのは、一個もないんですが。
いわゆる60年代、70年代はセクシー・ダイナマイトと言われましてですね。
露出過多で、なんかキワモノみたいに言われてましたけども、だけど、とにかく歌の実力は素晴らしい。
再ブレークしてからのリクエストカードが山のように頂いておりますが、へそ曲がりなサンデーソングブックとしましては、アイク&ティナ・ターナーの時代の作品を今日はおかけしたいと思います。
アイク&ティナ・ターナー、旦那さんのアイク・ターナーと奥さんのティナ・ターナー。
夫婦デュオでございますけれども、でもパワハラ、DV、散々な目にあったという。
それはそれとしまして。
アイク&ティナ・ターナーの代表作、日本では何と言っても1966年のフィル・スペクターのプロデュースいたしました「River Deep Mountain High」なんですが、これを1973年にアルバム「Nutbush City Limits」の中で普通の演奏でやってるという、私、これ大好きで。
スペシャルバージョンよりこっちの方が好きで、こればっかり聴いておりました。
1973年のアルバム「Nutbush City Limits」に収められております
「River Deep, Mountain High」ぜんぜん違うバージョン。
RIVER DEEP, MOUNTAIN HIGH (1973 VERSION) / IKE & TINA TURNER


今聴くと、こっちの方がいいですね。ほんとに(笑)

ティナ・ターナーですが、何せ日本ではリリース数が圧倒的に少ない。
特に初期は全くリリースされてないのでですね。知名度がイマイチなので。
ようやく知名度が出てきた60年代後半の「プラウド・メアリー」ヒットぐらいからなので。
それでもまあ、いわゆる「お色気路線」っていうぐらいに解釈されていて。
歌の本当の実力とかですね、なおざりにされてるという、そういうものなので。
僕自身、私ごとで恐縮なんですけども、ティナ・ターナーに興味を出たのは、ハンブル・パイの73年のアルバム「Eat It」っていうアルバムに「ブラック・コーヒー」という曲入っておりまして、これがすごく良くてですね。
これのオリジナルは誰かなって言って調べたら、アイク&ティナ・ターナーの1972年のアルバム「Feel Good」というアルバムに入っておりまして。
これ聴いて、ぶっ飛びましてですね。
ティナ・ターナーってすごいんだなって、ここから集め出したんですけど。何せ数が多すぎて(笑)大変だというそういう経緯でございます。
当時は、僕もお金がなかったので。二十歳そこそこだったんでですね。
この「ブラック・コーヒー」を聴くとその当時の、アイク&ティナ・ターナーに目覚めた時代を思い出します。
1972年のアルバム「Feel Good」から「Black Coffee」
BLACK COFFEE / IKE & TINA TURNER


シル・ジョンソンの「TAKE ME TO THE RIVER」にリクエスト。
彼は南部生まれのシカゴ育ち。メンフィスのハイ・レコードに移籍して何作かヒットを放ち、来日もしている。
この曲はアル・グリーンの作品で、シル・ジョンソンのバージョンが1975年、ソウル・チャート7位、全米48位。
その後、1979年にトーキング・ヘッズがカヴァーしている。
TAKE ME TO THE RIVER / SYL JOHNSON 


カントリーの大物、ロイ・クラークにリクエスト。
シンガーというよりギタリスト、マルチ・プレーヤーとして有名で、歌も渋い。
この曲はロイ・クラークの最大ヒット、1969年全米19位の「YESTERDAY, WHEN I WAS YOUNG」。
原曲はシャルル・アズナヴールの1964年の作品。
YESTERDAY, WHEN I WAS YOUNG / ROY CLARK 


マリアン・ファーラー&サテン・ソウルへのリクエスト。
シカゴのグループで、1975年にブランズウィック・レコードからアルバム『NEVER GONNA LEAVE YOU』が出ている。
バリー・ホワイト風のこの「YOU GOT TO BE THE ONE」は、ユージン・レコードの曲。
YOU GOT TO BE THE ONE / MARYANN FARRA & SATIN SOUL

 ドゥー・ワップ・グループ、クラシックス。彼らの1963年の「TILL THEN」のオリジナルにリクエスト。
1944年のミルス・ブラザーズのヒット・ナンバー。全米で8位、R&BチャートでNO.1。
TILL THEN / THE MILLS BROTHERS


今日の最後は<高齢化が著しい我が業界で、元気に現場に入るために「CHEER UP! THE SUMMER」を大音量で聴きながら運転>というお便りに応えて。
CHEER UP! THE SUMMER / 山下達郎