おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



西城秀樹さんがカバーしたユーミンの曲「リフレインが叫んでる」

 

西城秀樹さん、井上陽水さん、LUNA SEAの河村隆一さん。

共通点は何か、おわかりだろうか。


3人とも、ユーミンの「リフレインが叫んでる」をカバーしているアーチストだ。


いつもは秀樹さんの洋楽カバーを書いているこのブログだが、たまには日本人アーチストのカバーについて書いてみよう。

 

2018年8月にNH-FMで放送された『今日は一日“ありがとう!ヒデキ”三昧』中で、日本の著名なアーチストの提供曲、カバー曲が、数曲続けてオンエアされた。

もともとこうしたコーナーが予定されていたのではなかったようだが、とてもリクエストが多かったことから、MCのクリス松村さんの判断でオンエアしたらしい。

ファンの人もよくわかっているというか、こだわりが強いというか....

番組中で、続けて紹介されたのは、以下の6曲。

聖・少女(吉田拓郎 提供)
眠れぬ夜(オフコースカバー)
リフレインが叫んでる(松任谷由実カバー)
BOMBER(山下達郎カバー)
セクシー・キャッツ(矢沢永吉カバー)
恋の列車はリバプール発(矢沢永吉カバー)

このうちシングルのA面としてリリースされたのは「聖・少女」と「眠れぬ夜」。

「BOMBER」「セクシー・キャッツ」「恋の列車はリバプール発」はライブでのカバー。

そして「リフレインが叫んでる」はシングルのB面でのリリースだった。

A面は「2Rから始めよう」(1998年5月)で、これはユーミンが書き下ろし提供した曲だ。

番組でリクエスト数は紹介されなかったが、「2Rから始めよう」より「リフレインが叫んでる」の方が絶対に多かったはずだと思う。

ぶっちゃけ「2Rから始めよう」は、ユーミンの楽曲としても、秀樹さんの歌唱としても、特にすぐれた出来栄えとは思えない。

しかし、「リフレインが叫んでる」のカバーは非常に完成度が高い。

ユーミンファンのあいだでも人気の高い曲だが、シングルリリースはされていない。

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アルバム『Delight Slight Light KISS』(1988年11月)の収録曲なのだが、ピアノ連打のイントロに続いて、いきなりサビの歌い出しではじまり、これで一気に聞き手の心をわしづかみにしてしまう。



秀樹さんのカバーは、ロックテイストにアレンジされており、歌は本当に素晴らしい。

もともとユーミンの声は個性的ではあるが、歌唱力のある人ではないので(←ご本人も認めている)、説得力では、秀樹さんの方が上。

なかなか展開の難しい曲だからだろう、カバーしているのは、井上陽水さん、LUNA SEAの河村隆一さんと、歌のうまい人ばかりになる。


ただ、残念なのは、現在ではこの音源の入手が事実上できないことだ。

当時のシングル(8cmの短冊形)をAmazonで業者が出品販売しているが、なんと23000円。

あきれて怒る気にさえならない。

1999年リリースのB面ばかりを集めたアルバム『HIDEKI B-side story』(ヒデキ・ビーサイド・ストーリー)は廃盤で、Amazonに中古盤すらない。

配信でいいから、なんとかリリースされないものかと思うが、You Tubeで聞けるだけ、ありがたい。

上記の動画はオフィシャルではなくファンの方がつくったものだと思うが、よくできている。

しかしコメ欄を見ると「ギャランドゥを作ったユーミンさんの作品ですネ」とかデタラメ書いてる人がいるなあ。「ギャランドゥ」はもんたよしのりさんの曲。ファンなら正確に書いてほしいものだ....


さて、秀樹さんが他界されたのち、ユーミンさんが想い出を語っている。ファンには知っている人も多いと思うけど、最後に紹介しておこう。

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【ユーミン コメント】

新御三家といわれた野口五郎さん、郷ひろみさん、西城秀樹さん、それぞれにお会いしたことはあるんだけど、私の感じでいうと、やっぱり西城秀樹っていう人は圧倒的なスターだったと思う。

声が素晴らしい。紗(しゃ)のかかった強い少年声というのか、大好きな声ですね。歌手は、声が運命を100%以上、決めるかな?どんだけうまくても、声が魅力的じゃないとね、意味がなかったりするし。もちろんお上手でもあるわけなんだけど。

圧がすごかったんじゃないかなぁ~、知ってる人は知ってるかも知れないけど20年ぐらい前に『2Rから始めよう』って曲を(西城さんに)作ってるんですよね。

その時点で私は彼の最盛期の時の声の響きっていうのをイメージしたんで、お会いした時にはもう残念ながら、病気も何回かされてたのかなぁ、ヘビースモーカーで30分ぐらいの打ち合わせの時にもう灰皿に煙草がモリモリになっちゃうぐらいの、ストレスっていうか、圧が本当にすごかったんだと思う。

栄光の後のもがいてる感じっていうのが。それだけに、人の一生なんてね、儚いもので誰にとっても。生きてる時は長いけど。

でもその栄光というのは永遠なんじゃないかなぁ、と私は思いたい。

素晴らしい歌手のかただった、と思います。

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※2018年5月25日に放送されたニッポン放送『松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD』にて

<了>

 

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bakoji.hatenablog.com