バーミンガムを拠点に活動するサックス・フルート奏者、コーサ・コール、注目のデビュー作。
資料によれば、タイトル「K(no)w Them, K(no)w Us」は、ディジー・ガレスピーがルイ・アームストロングのことを語った「No Him, No Me」をもじったものだそう。
「彼らを知ることは, 私たちを知ること」、意訳して「先人の音楽を知らずして、私たちの音楽はない」ということだろうか。
そのタイトルに示されている通り、奏でるサウンドもまた、先人のDNAを引き継いだ、オーソドックスでストレート・アヘッドなものだ。
UKの最近のジャズというと、エレクトロニカなどと融合させた尖ったもの、アフロ音楽と融合させたスピリチュアルなものが主流。
そんななかで、こうした折り目正しい、というと変かもしれないが、オーネット・コールマンやリー・モーガンの作品を採り上げ、伝統を素直にリスペクトするプレイヤーが現れるのは、おじさん世代にはちょっとうれしい。
もちろん、フレージングの技などは今日的だし、ミックスなどもイマドキだから、古臭さは感じない。
フォーマルなスーツなんだけど、シルエットはいま流行りの、という感じ。
「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」という吉田拓郎の作品のタイトルを、思い出したりした。
Xhosa Cole – tenor saxophone
Jay Phelps – trumpet
James Owston – double bass
Jim Bashford – drums
plus guests Soweto Kinch – alto saxophone
Rueben James – piano
1 Zoltan
2 Blues Connotation
3 Manhattan(feat. Reuben James)
4 Played Twice
5 On a Misty Night
6 What's New(feat. Soweto Kinch、Reuben James)
7 Untitled Boogaloo(feat. Soweto Kinch、Reuben James)
8 Played Twice #2 (Alt Take)
<了>
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