おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック 6月2日「リクエスト特集」書き起こし

達郎氏による曲の解説部分を書き起こしています。インフォメーションやリスナーからのメッセージは割愛しています。 ネットに音源があるものは張り付けていますが、オンエアされた音源とは異なる場合があります。

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1.LOVELAND,ISLAND / 山下達郎
2.SH-BOOM / THE CHORDS
3.MORE TODAY THAN YESTERDAY / THE SPIRAL STARECASE
4.UNCHAIN MY HEART / RAY CHARLES
5.JAM / THREE DOG NIGHT
6.COUNT ON ME / NATURAL FOUR
7.LEHUA, MY LOVE / 山下達郎
8.COMIN' ON TOO STRONG / WAYNE NEWTON
8.I MISS YOU / THE DAVE CLARK FIVE
9.十字路 / 山下達郎

 

LOVELAND,ISLAND

 

SH-BOOM / THE CHORDS

久しぶりのドゥワップソングです。
The Chords、1954年の今や大スタンダードですが「Sh-Boom」。
私が生まれた翌年です。リリースされて65年と言う。でも全然グルーヴは衰えておりません、今でも。オーディオ的なものを別にすれば、素晴らしいグルーブです。


このリクエスト特集で、コンスタントに、定期的にリクエストをいただく曲が何曲かありまして、これもそういううちの1曲です。
Spiral Starecase、カリフォルニアのサクラメント出身の5人組のボーカルインストゥルメンタルグループ。これもこうしたポップソングではスタンダードになっています。1969年全米12位。
リードボーカルのPat Uptonの素晴らしいハイトーンですが、こういうハイトーンのシンガーはなかなか続けるのが難しいという感じがします。今はどういう感じかなと心配になってしまいますが、それぐらい高い高い声(笑)

MORE TODAY THAN YESTERDAY / THE SPIRAL STARECASE


次のリクエストは「私は1961年生まれなのでその年の曲を。出来れば11月リリースものを」。わがままですね。
私は何年のヒット曲かというのはこの番組では必ず申し上げていますけれども、何月リリースまでは突き詰めません。めんどくさいので。ですので調べました。
ありました。Ray Charles。アトランティックからABCに移籍しましてヒット曲を立て続けに出し始める、その時期の曲です。
1961年11月リリース。全米R&Bチャートナンバーワン。全米9位、ベストテンヒット。スタンダードナンバーですUnchain My Heart」

我々の世代にはラジオでしょっちゅう流れていた、いわゆるベタな曲なので、あまり真面目に注目して聞いてることはないんですけれども。ほとんどはじめてしみじみリアルステレオバージョンをリマスタリングしながら聞いてみますと、うまい!
31歳のRay Charlesの歌声ですけれども、信じられない。素晴らしい。

 

(リスナーから「オールディズの定義を教えてください」)
萩原健太さんの名言で「出たとたんにそれはオールディーズだ」と。
昨日出たら、今日はもうオールディーズだと。
それは極論ですが、私の場合は、自分が生まれたのが1953年ですので、だいたい専門が50's、60's、70's、80'sの中頃まで。このへんの範囲でこのサンデーソングブックはやっております。
特にやっぱり60年代、70年代。
コンピュータミュージックが出る前の、人力音楽といいましょうか。
そのへんが、一番メインでやっております。
人によっては、また全然違います。90年代の音楽で育った方は、その時代ですし。
そういうことが、いろんなジャンルでやられるのがいいかなと思いますけど。
日本は、なかなかですねオールディーズ番組、定着しないので。
頑張って引き続き行きたいと思います。


次のリクエストは、Three Dog Night「An Old Fashioned Love Song」のB面「Jam」。私もこの曲は大好きで、A面よりはこっちを聞いてたぐらいです。
1971年のアルバム『Harmony』に収録されていまして、大ヒットソング「An Old Fashioned Love Song」のシングルのB面に収録されました「Jam」


次はNatural Four。シカゴの四人組のボーカルグループです。
リスナーから「Natural Fourと言えば「Can This Be Real」ですか?」
いんにゃ。
Natural Fourといえばこれ。1975年のアルバム『Heaven Right Here On Earth』に入っております「Count On Me」


JALのハワイ路線のCMを担当しています。テレビ、ネット等で流れていると思いますけれども。この曲を書きました。
「Lehua, My Love」、ハワイの花ですけれども、そこからとりました。
まだフルバージョンのミックスダウンは終わっていませんので、30秒バージョンで。

 

Wayne Newtonの「Comin' On Too Strong」
1965年全米65位というチャートですが、このシングルは作曲がGary Usherで、アレンジとプロデュースが、Terry MelcherとBruce Johnstonという、当時のサーフィンホットロッドシーンのコンビです。

いわゆるラスベガス系のエンターテイメントシンガーと言うかそういう人ですけれども、異色な作品。ブルース&テリーの音がしております。
“ザ・ハル・ブレイン”という感じです。Pat Booneの「Beach Girl」みたいな、そういうプロダクションですが、チャートにちゃんと入るだけ偉い。


Dave Clark Five。シングルの「At The Scene」のカップリングであります。隠れた人気曲です。1966年の「I miss you」

 

梅雨の季節かなという感じなので、雨の歌に関して、ずいぶん私の持ち歌の雨の歌、リクエストいただきます。
特に今週は「十字路」が多い。ずいぶんと頂いております。
最近、1曲に2通以上来ることは、ほとんどないので、一人一曲みたいな感じ(笑)
珍しくまとまった数をいただきましたので、今日は、これで。

十字路



<了>