リチャード・ベッツという名前を聞いても、ほとんどのロックファン、ポップスファンは「誰、それ?」だろうけど、要するにオールマン・ブラザーズ・バンドのディッキー・ベッツのことだ。
ディッキーが愛称で、このリチャードが本名らしい。
デュエイン・オールマンの亡き後、オールマンをサウンド面で支えたのが彼であることは、当時のアメリカンロックを聞いてた人なら、誰でも知っている。
1973年リリースの名盤『BROTHERS AND SISTERS』は、彼なしでは生まれなかった。
かの「Ramblin Man」や「Jessica」などオールマンの代表曲とされる曲を書いたのも、彼である。
その『BROTHERS AND SISTERS』の翌年、1974年にリリースされたのが、このディッキーの初のソロアルバム『HIGHWAY CALL』。
「Ramblin Man」と同じ路線にある、おおらかでポップなカントリー・ロックに仕上がっている。
全6曲と少ないが、これは14分超えの曲があるから。
こういうときって、オールマンのメンバーがいろいろゲスト参加しそうなものだけど、実際にはキーボードのチャック・リーヴェルのみ。
一人で思うままにやりたかったのかもしれない。
グレッグ・オールマンのソロ『Laid Back』も同時期の1973年だし、それぞれ好きにやろうや、という感じで。
「Ramblin Man」あたりが好きな人にはおすすめ。
1曲目の「Long Time Gone」は、のちにカントリーシンガーのジョン・スターリングがカバーし、彼のアルバムのタイトルにもなっている。
日本盤の帯は「ディッキー」になってるな。その方がわかりやすいっちゃあ、わかりやすいが。生産限定でお安いようです。
最近どうしてるのか調べたら、2018年のライヴパフォーマンスを2019年にリリースしている。まだまだ現役のようで、うれしい。
<了>