ストローリン / トニー・モナコ&ヘンドリック・ミュールケンス
とにかくこの『Strollin'』というアルバム、2021年3月リリースなのだが、日本語のインフォメーションが全く見つからないので、簡単にでも自分で書いておくしかないかなと、この記事を記している。
トニー・モナコは、約50年のキャリアを誇る、ジャズオルガンのレジェンド。
オルガンの魔術師、とも称される。
ただ、あまりメディアに出る人ではなく、華やかなステージに立つ、という印象も薄い。
もしニューヨークを本拠地にしていたら、もっと広く知られ、スポットライトが当たる機会も多かったはず。
しかし、彼は地元オハイオ州コロンバスにとどまって音楽活動を続けた。
ヘンドリック・ミュールケンスは1957年、ドイツ生まれ。ハーモニカプレイヤーでヴィブラフォンも演奏する。
アメリカのバークリー音楽院で学んだあと、ブラジルに移住し、現地で演奏活動を行う。
その後ドイツでスタジオミュージシャンと活動し、ハーモニカプレイヤーとしての評価を高め、名門コンコードと契約。
ニューヨークに拠点を移し、15枚以上のアルバムをレコーディングしている。トゥーツ・シールマンス亡きあと、ジャズのハーモニカといえば、この人だろう。
『Strollin'』はこの二人の双頭アルバムで、ドラムにReid Hoyson、ギターにMark Lucasという布陣のようだ。
オルガンとハーモニカの、その音色からして、ほっこりするのは当然。
オーソドックスな4ビートやブルースが主体で耳馴染みがいい。
ふたりとも超絶技巧の持ち主だが、それをひけらかすことのない、滋味あふれるプレイが素晴らしい。
You Tubeでも全曲聴けます。
<了>
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