マイ・ファザーズ・ハンズ / サイラス ・ チェスナット
現代最高峰のピアニストが亡き父に捧げた佳作
JAZZWEEKのチャートで、2022年8月から9月にかけて、なんと6週間連続で1位になったヒット作。
実力、人気ともに現代最高峰のピアニスト、サイラス ・ チェスナットが、2021 年に永眠した父親マクドナルド・チェスナットに捧げた作品だ。
基本はピアノトリオで、晩年のトミー・フラナガン・トリオのリズム隊としても知られるピーター・ワシントン(b)、ルイス・ナッシュ(ds)が参加。
収録曲は全10曲で、教会のオルガン奏者だった父親との思い出をテーマにしたオリジナルが4曲、それ以外のスタンダードも父と自身にとって意義深い楽曲だそうだ。
レクイエム的な性格をもつ作品だけに、アルバム全体を通して、悲しくも美しい演奏が続き、心に沁みる。
なかでも、父が息を引き取るときの情景を描いたというラストの「Epilogue」は非常に感動的。
父を思うサイラスへの、深い共感があってこそヒット作となったのだろう。
1. Nippon Soul Connection (Cyrus Chestnut)
2. Thinking About You (Cyrus Chestnut)
3. Cubano Chant (Ray Bryant)
4. Baubles, Bangles and Beads (George Forrest / Robert Wright)
5. Yesterday (John Lennon / Paul McCartney)
6. I Must Tell Jesu (Elisha A. Hoffman)
7. Working Out Just Fine (Cyrus Chestnut)
8. There Will Never Be Another You (Mack Gordon / Harry Warren)
9. But Beautiful (Johnny Burke / Jimmy Van Heusen)
10. Epilogue (Cyrus Chestnut)
Cyrus Chestnut (p)
Peter Washington (b, except track 6)
Lewis Nash (ds,except track 6)
<了>
このほかのジャズアルバム紹介記事はこちら