インタープレット・イット・ウェル / チェス・スミス
NYの鬼才ドラマーがビル・フリゼールを迎えて
異才とか鬼才とかの冠がつけられることが多い、ドラマー/パーカッショニストのチェス・スミス。
ちょっと尖った、アヴァンギャルド系の音を作るとなると「んじゃチェス呼ぶか」とかなるようで、ニューヨークではファーストコール的なポジションのようだ。
たしかに客演がすごく多くて、Kris Davis『Diatom Ribbons』、John Zorn 『Les Maudits』あたりの、近年の注目作にも参加してたりする。
最近のドラマーって、クールで緻密で抑制の効いた人が多い印象もあるけど、彼の持ち味は、ロックドラマーさながらに、どかすか叩きまくること。
さて、この新作での注目はいうまでもなく、巨匠ビル・フリゼールの参加。
非常に自由度が高く、独特の浮遊感をもったビルのギターと、チェスのドラムは相性がいいのか悪いのか、なんとも緊張感がある。
さらにマット・マネリの怪しげで耽美的なヴァイオリンが加わり、幻想的な音の絵巻が展開する。
タイトルを直訳すると「うまく解釈せよ」ってことだけど、そう簡単にはいかない。
Ches Smith: drums
Craig Taborn: piano
Mat Maneri: viola
Bill Frisell: guitar
<了>
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