ニール・パート
アンディ・ギル
ケニー・ロジャース
ビル・ウィザース
マッコイ・タイナー
リトル・リチャード.....
レジェンド・アーチストの方々の相次ぐ訃報は、本当に悲しく心が痛む。
コロナの感染が収束すれば、再びステージに立つ姿が見られるかも、と期待していただけに、なおのこと残念だ。
一方で、ご高齢でありながらも、ばりばりと活躍されている方を見るとうれしく、元気をもらえる気分になる。
その一人がこのハーブ・アルパートだ。
かのA&Mレコードの創設者の一人にして、アメリカで最も著名なトランぺット奏者。
グラミー賞を9回受賞し、世界で7200万枚のアルバム・セールスを記録するなど、数々の偉大な業績を残している音楽界の巨人だ。
1935年生まれだから、御年85歳。
その彼の最新作が2019年9月にリリースされた『OVER THE RAINBOW』だ。
いわゆる著名なポピュラーミュージックのカバー集で(1曲のみオリジナル)、タイトルソングは、あの「オズの魔法使い」の劇中歌として有名な「Over The Rainbow」
そのほかにも、
ルイ・アームストロング「What A Wonderful World」
ジョー・コッカー「You Are So Beautiful」
アース・ウインド&ファイアー「Fantasy」
バリー・マニロウ「Copacabana」
など、日本でも広く知られた曲がずらりと並ぶ。
なんだかお手軽なインスト集みたいだなぁ、と思う人がいるかもしれない。
しかし、まろやかでコクのある音色は、やはり大ベテランならでは。
有名な曲が多いから、たしかに耳に心地よく聞きやすいが、決して軽くはない。
そこらの、歌のない歌謡曲のようなスムーズジャズとは、一味も二味も違うのだ。
主役はもちろんトランペットなのだが、ヴォーカル入りの曲もあり、オーケストレーションのアレンジも素晴らしい。
なかでも白眉はジャズトランペットの巨人、ルイ・アームストロングへのトリビュートである「Wonderful World」
コロナ感染による自粛生活から、徐々に日常を取り戻しつつある今にこそ、ふさわしい曲に感じる。
- アーティスト:Herb Alpert
- 発売日: 2019/09/27
- メディア: CD
<この項おわり>