おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



こんなときだからこそ黒人と白人のデュエット曲を

 

NHK-FMの「ザ・ソウルミュージック」を毎回録音して欠かさず聞いている。

MCは月に1回は久保田利伸さんで、月に2、3回がゴスペラーズの村上てつやさん。

どの放送回も、ソウル愛に満ちた選曲とトークが楽しい。ちょっと大人向けの番組だ。

 

6月13日、村上さんの担当回の冒頭3曲。

「Ain't Nothing Like The Real Thing」Vince Gill 、Gladys Knight

「Fire And Desire」Rick James、Teena Marie

「Until Forever」D'Atra Hicks、Evan Rogers


あれ、これは、もしかして.......

と思っていたら、番組の終わり近くになって、村上さんが解説してくれた。

こんな時期だからこそ、黒人と白人のデュエットをと選曲したのだそうだ。

日本でむちゃ有名というわけではないが、豊かなメロディを持つ名曲が並んだ。


1曲目のヴィンス・ギルはカントリーシンガーなので、グラディス・ナイトとはまさにジャンルを超えたデュエットだ。

1994年のコンピアルバム「Rhythm Country And Blues」に入っている。

もともとは68年にマーヴィン・ゲイとタミー・テレルのデュエットでシングルリリースされた、全米8位、R&Bチャート1位のヒット曲である。

 

「Fire And Desire」は、リック・ジェイムスが1981年にリリースしたアルバム
「Street Songs」に収録。

リック・ジェイムスのというより、80年代前半のR&Bを代表する名盤で、約400万枚のセールスを記録した。

ティーナ・マリーはリック・ジェームスに見いだされた人で、79年にアルバム「Wild and Peaceful」でデビュー。

81年のアルバム「It Must Be Magic」はR&Bチャート2位を記録した。

だが2010年に54歳の若さで亡くなっている。

リック・ジェームスも2004年に56歳で他界。

その早い死が改めて悔やまれる。




ディアトラ・ヒックスは女優として有名な人だが、1989年にアルバム「D'atra Hicks」をリリース。

この中に収録されているのが「Until Forever」で、これは映画「Everybody's All-American(熱き愛に時は流れて)」のテーマ曲である。

エヴァン・ロジャースは、1980年代に2枚のソロアルバムがあるが、シェリル・リン、ステファニー・ミルズ、ジェニファー・ホリデー、デビー・ギブソンらのプロデューサー、ソングライターとして成果を残している人だ。


そして番組の最後は、
「Ebony And Ivory」Paul McCartney & Stevie Wonder

これはもう説明不要だろう。

リリースからもう30年近く経ったことに驚く。

 

私が大好きなデュエット曲を最後に加えさせていただく。

「Somewhere Out There」 James Ingram & Linda Ronstadt

 

アメリカの人種差別問題に関するデモや抗議運動、その周辺でのトラブルは、そうは簡単には収まらないだろうけれど、一日も早く平穏な日々が訪れることを願っている。

 

<この項おわり>