キーボードプレイヤーであり作曲の腕もいいポール・ブリスを中心にしたバンド、ブリスバンドのデビュー作で、リリースは1978年。
ポール・ブリスは、1953年イギリスのバーミンガムの生まれ。
10代のころ、ビートルズやスモールフェイセスらに憧れ、ギター、ベースをプレイするようになる。
70年代半ばにイギリスのドラマー、キーフ・ハートレーを中心としたロックバンド、ドッグソルジャーに参加し、プロとしてデビュー。
このバンドはアルバム1枚を残して解散してしまうが、ポール・ブリスは作曲とキーボードの修練を続け、フィル・パーマー(ギター )らと共に ブリス・バンドを結成する。
彼らの演奏を収めたテープが、どんな経緯かよくわからないのだが、ドゥービー・ブラザーズの耳にとまって気に入られ、彼らの全米ツアーでオープニングアクトを務めることになる。
70年代後半のドゥービーズは、まさに人気の絶頂期。
そんな彼らに目をかけられた上、ジェフ・バクスターの推薦をうけ米Columbiaと契約が成立。
さらにジェフはデビューアルバムのプロデュースまで手掛ける。
かなりの入れ込みようだ。
ジェフの音楽性は幅広いが、いうまでもなく初期のスティーリー・ダンのメンバーでもあり、AOR的な面も色濃い。
ポール・ブリスもスティーリー・ダンからの強い影響を公言している人であり、二人の趣味嗜好が見事に合致して生まれたのが、ブリスバンドのデビュー作「Dinner With Raoul」というわけだ。
1. Rio
2. Over The Hill
3. Slipaway
4. Don't Do Me Any Favors
5. On The Highway
6. Right Place, Right Time
7. Stay A Little Longer
8. Here Goes
9. Whatever Happened
10. Take It If You Need It
1曲目からして、スティーリー・ダン色がありあり。
一部の曲にマイケル・マクドナルドや、タワー・オブ・タワーのホーン隊が参加していることもあって、注目を集めた。
ポール・ブリスはのちに、オリビア・ニュートンジョン、セリーヌ・ディオン、そして松田聖子など、さまざまなアーティストに曲提供しており、作曲家としての能力は高い。
このアルバムも、フックの聞いたキャッチーなメロディラインが目白押しで、耳を奪われる。
<了>