おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック 9月22日「リクエスト+棚からひとつかみ」書き起こし

 

達郎氏による曲の解説部分を書き起こしています。インフォメーションやリスナーからのメッセージは割愛しています。 ネットに音源があるものは張り付けていますが、オンエアされた音源とは異なる場合が多々あります。

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2019年09月22日プレイリスト「リクエスト+棚からひとつかみ」
1. 旅のつづき / 竹内まりや
2. BABY COME BACK / THE EQUALS
3. I CAN HEAR MUSIC / THE BEACH BOYS
4. (IT'S GOT TO BE) NOW OR NEVER / LITTLE DOOLEY
5. MERRY GO ROUND / PERFECT TOUCH
6. I COULD WRITE A BOOK / FRANK SINATRA 
7. LONGING/LOVE / GEORGE WINSTON 
8. S.O.S. / WINFIELD PARKER
9. FORTY MILES OF BAD ROAD / DUANE EDDY
10. スプリンクラー / 山下達郎 

 

今日は『棚からひとつかみ+リクエスト』の予定でしたが、『リクエスト+棚からひとつかみ』。リクエストの割合が多いという。

今日も皆さまのリクエストにお応えしつつ、最近買ったやつとか、いろいろごった煮でお届けしたいと思います。

9月4日に発売になりました竹内まりや40周年記念アルバム、3枚組『Turntable』、ご好評いただいております。

早くもニューシングル、次が出ます。ニューシングル「旅のつづき」本日、初オンエア―させて頂きます。

10月11日から全国公開となります、映画『最高の人生の見つけ方』、吉永小百合さん、天海祐希さんのビッグスターのコンビによる映画でございます。10月9日発売ニューシングル「旅のつづき」


映画『最高の人生の見つけ方』予告編 2019年10月11日(金)公開


BABY COME BACK / THE EQUALS


イコールズはイギリスの5人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ。 1968年にデビューしましてこののデビュー曲は全英NO.1。アメリカでも32位。白人黒人混成のグループなのでイコールズという名前がついています。「BABY COME BACK」大ヒットソングです。 


続きまして'60年代後半のビーチボーイズは、カール・ウィルソンのリーダーシップでした。カール・ウィルソン自らプロデュースして1969年、全米24位。素晴らしいリードヴォーカル、ザ・ロネッツのカヴァーヴァージョン。

I CAN HEAR MUSIC / THE BEACH BOYS

 

相変わらず旅の空でもぽつぽつレコードを買っております。最近買ったリトル・ドゥーリー。サウスカロライナ出身の黒人シンガーで、ディープなものもメロウなものもどっちも歌える人です。

1972年にフィラデルフィアでレコーディング。プロデュース&アレンジがボビー・マーティン。曲を書いてるのはモーメンツ関係、フィリー関係、ニューヨーク関係でたくさん曲を書いてるギタリストでアレンジャーのトミー・キース。悪かろうはずがありません。

1972年に発売され、はじめはレッドルービーというインディーで発売され、ノースベイというフィラデルフィアのもうちょっと大きなインディーに買われました。何種類もあるんですが、いちばん最初のやつを手に入れたので、うれしいのでかけます。

(IT'S GOT TO BE) NOW OR NEVER / LITTLE DOOLEY

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次もスウィート・ソウルもの。デトロイトのグループでパーフェクト・タッチ。全くプロフィールがわからない人たちです。1980年に出たアルバムがCD化されて、だいぶ聴けるようになりましたけれども、昔買ったシングルはボロボロでして、最近買い直しまして、オリジナル45で聴くと、また色合いが違います。1980年の「MERRY GO ROUND」


番組をはじめた当初は、アメリカとイギリスのロックンロールと日本のそういうものがほとんどだったんですが、最近はオールディーズの番組が目減りしてきたとみえて、私の専門外のこともずいぶんお便りをいただけるようになったんですけど、これもそんな1枚。

リクエストは「I Could Write A Book」。ブロードウェイ・オリジナル・キャスト盤「PAL JOEY」、訳すと「親友ジョーイ」。

“このミュージカルを元につくられた 映画版は『夜の豹』という題名で、フランク・シナトラとキム・ノヴァク、リタ・ヘイワースが主演しています。最近出版された「井上ひさしベスト・エッセイ」の中のひとつ「どこにも売っていない本」でこの曲を採り上げており、ぞくぞくするほどいい歌です。つまりこの歌とキム・ノヴァクとが筆者をブロードウェイ・ミュージカルに深入れさせたと書かれているので、一度聞いてみたいと思いました。”

「PAL JOEY」。もともとは1940年に初演されました。作曲はリチャード・ロジャースとロレンツ・ハート。40年の主演はジーン・ケリーだったそうです。その後、何度も再演されて、1952年の再演が評判だったそうで、そのときはハロルド・ラング主演だったそうです。

それが評判がよかったので映画化されました。1957年、フランク・シナトラとキム・ノヴァク、リタ・ヘイワースによる『夜の豹』。かなり脚色されまして、元のオリジナルのブロードウェイのストーリーとはずいぶん違うそうですが、フランク・シナトラがいわゆるチャラ男を演じてまして、これでゴールデン・グローブを獲りました。

たくさん歌われていますが、その中の代表曲で「I COULD WRITE A BOOK」。今日はフランク・シナトラの映画版のオリジナル・サウンドトラックからフランク・シナトラでお聞きいただきます。 

I COULD WRITE A BOOK / FRANK SINATRA "PAL JOEY"

日本語の訳だとニュアンスが伝わりにくいですが、要するに女の人をどう口説くかというような話題で.....“おのぞみなら本が書けるくらいよく知っている 君の歩く様もささやき方もどんな格好をしているかも 誰も忘れられないような出会いだと それから口説き方のコツはしつこく愛していると繰り返すだけ 僕の本を読み終えたころには誰でも友達づきあいしていた女の子を恋人にできるようになる”

とチャラいですが、ちょっとシニカルな。これを女性が歌うとまた面白いです。エラ・フィッツジェラルドとか星の数ほどいますけど、名作です。

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お便りです。

“私の手にはおえないので、達郎さんにお願いします。大学のころ、FMでキースジャレットの曲と思って聴いていた曲がありますが、ところがそれは、ジョージ・ウインストンという、私の知らなミュージシャンの「オータム」という曲だという指摘を受けました。現在、私は64で、40年前にキース・ジャレットのフレーズだと思っていた曲が別のミュージシャンだと言われても....キース・ジャレットの曲を調べるにも、レンタルにも図書館にもありません。私の間違いだったのが、達郎さんに聞けばわかるかとお手紙差し上げました。どうぞ、よろしくお願いします”

ご無体なやつですが、これはわかります。ジョージ・ウィンストンはですね、80年代のニューエイジ・ミュージックと呼ばれる環境音楽の世界で、ウィンダム・ヒルというレーベルがありまして、そこから出しまして、たいへんな人気をとりました。

1984年にリリースされました『オータム』というアルバムに入っております「Longing/Love 」というタイトルの曲だと思います。なぜそう思うかというと、当時、車のCMに使われておりまして全国で非常にヒットしまして、アメリカでもアルバムがプラチナムになりました。1984年のその曲、CMサイズがありますので、それをお聴きいただきましょう。

LONGING/LOVE / GEORGE WINSTON


これじゃないすか?違ったらまた言ってください(笑)これはもう、いわゆるダウンロードでも手に入りまして、CDでも売っております。ちゃんとしたリマスタリングでリイシューされております。


ウィンフィールド・パーカーの曲にリクエスト。ボルチモア出身の黒人ソウル・シンガーです。初期のインディーレーベルでたくさんシングル出したのがCD化されてますが、1曲だけソウルチャートでヒットしています。

1971年、全米ソウルチャート48位の「S.O.S.」。スプリングレーベルから発売されてまして、CDといってもコンピにしか入っていないので、今日はこれでかければいいわけですね。

S.O.S. / WINFIELD PARKER



次のリクエストはザ・ライヴリー・ワンズの「FORTY MILES OF BAD ROAD」

“むかし深夜放送の番組のあいまによくかかっていました。45年経ってようやく演奏者が判明”

ということは手に入れられたんですね。ライヴリー・ワンズはサーフィン・ホットロッドのインストゥルメンタル・バンドですが、「FORTY MILES OF BAD ROAD」というのはもともとデュアン・エディのヒット曲です。1959年、全米9位。

なので、ライヴリー・ワンズは手に入れられたと思いますので、オリジナルをかけて差し上げます。これがベストテンヒットですから、のんびりした時代です。でもこれはレコーディングに際して、バスドラムの前にマイクを立てた最初期のレコーディングだと言われています。イントロがバスドラムから始まります。
FORTY MILES OF BAD ROAD / DUANE EDDY

 

今日の最後のリクエストは1983年のシングル。「スプリンクラー」



<了>