NHK-FM「ワールドロックナウ」2020年12月27日の放送は、年末恒例の特別企画「2020年洋楽シーンを三大音楽評論家が大総括」だった。
いつものMCの渋谷陽一さんに、ゲストで大貫憲章さん,伊藤政則さんが加わってのプログラム。
旧知のお三方だけあって、会話はフランクでボケ、ツッコミが飛び交い、聞いていて楽しい。
「三大音楽評論家」というのは、もちろんシャレなのだが、実のところこのお三方よりもベテランの洋楽系の音楽ジャーナリストというと、湯川れい子さんくらいしかいないのではないか。
私も若い頃からずっと、お三方のレコメンドを参考にしながら、音楽を聞き続けてきた。
いまでも現役バリバリで活躍されているのは、嬉しい限りだ。
番組ではそれぞれが、5曲ずつ、2020年に印象に残った曲を紹介された。
ここでは渋谷陽一さんが選んだ5曲を掲載する。
この番組のリスナーならご存知の通り「ワールドロックナウ」と銘打っていながら、番組でオンエアされるのは、むしろロック以外の曲の方が多い。
渋谷さんの選曲の基準は、表現としての斬新さや先進性と、ポップミュージックとしての大衆性を兼ね備えた作品、ということだろうと思う。それが今はロック中心ではなくなっているということだ。
その目利き力において、渋谷さんという人はやはりたいへん優れている。
渋谷さんは今年70歳になるはずだが、私が70歳になったときにも、渋谷さんのような感性と審美眼を持っていたいものだと思う。
HELL ON WHEELS // THE LEMON TWIGS
I WANT YOU TO LOVE ME // FIONA APPLE
Fiona Apple - I Want You To Love Me (Official Audio)
THEN BECAUSE SHE GOES // THE1975
The 1975 - Then Because She Goes
42.26 // CHILDISH GAMBINO
Childish Gambino - 42.26 (Lyrics)
HIT MY LINE // LOGIC
Logic - Hit My Line (Official Audio)
今回の「2020年洋楽シーンを三大音楽評論家が大総括」でオンエアされた曲の中で、女性のソロシンガーはフィオナ・アップルだけだ。
彼女が、8年ぶりにリリースしたアルバム『Fetch the Bolt Cutters』は、一般のファンからも評論家筋からも非常に評価が高い。
英国の公共放送BBCが、世界の音楽誌、ブログ、新聞、放送局など35のメディアが発表した2020年のベスト・アルバムを集計した究極の<ベスト・オブ・2020>リストを公開したが、その1位が『Fetch the Bolt Cutters』だった。
ちなみに
2位 フィービー・ブリジャーズ『Punisher』
3位 テイラー・スウィフト『folklore』
4位 デュア・リパ『Future Nostalgia』
上位を女性陣が占める結果になった。
●渋谷陽一さんが選んだ2018年の5曲はこちら
●渋谷陽一さんが選んだ2019年の5曲はこちら
<了>