フランク・スタローンは、名前から察せられる通り「ロッキー」でお馴染み、俳優シルベスター・スタローンの兄弟。
4つ下の弟である。
憂いを帯びた顔立ちの男前で、兄貴によく似ている。
俳優とシンガーソングライターの、いわば二足のわらじを履いている人で、けっこうたくさんの映画、テレビドラマに出ているが、主役を張るほどの人ではない。
初期の「ロッキー」の作品に歌手役で出てたりする。
プロとしての音楽活動のスタートは、1977年にアルバムデビューしたVALENTINEというバンド。
このバンドの名義で「ロッキー」に楽曲提供している。
その後ソロとなり、1983年に大ヒットした映画「ステイン・アライヴ」に提供した「ファー・フロム・オーヴァー」が全米トップ10入りするヒットになる。
この映画のヒロイン、ジャッキー(シンシア・ローズ)が所属するバンドのギタリストとして、出演もしている。
同時代に洋楽を聞いていた人なら、覚えのあるはずの曲だ。
アルバムデビューは、1984年。
「フランク・スタローン」というセルフタイトルアルバムだ。
で、これがけっこう良い作品なのである。
ヒットした「ファー・フロム・オーヴァー」も収められているが、こうしたアッパーなチューンは少なく、いわゆる洗練されたAORが中心。メロディもアレンジも水準が高い。
フランク・スタローンの歌声にも艶があり、ファルセットも達者で、けっこう聞かせてくれる。
また、大半の曲を彼が書いており、ソングライターとしても、なかなか優秀なのだ。
で、このアルバムに収録されている「ランニン(RUNNIN')」という曲を、秀樹さんがカバーしている。
ぶっちゃけカバーするなら、普通に考えれば「ファー・フロム・オーヴァー」のはずだ。
ヒット曲だし、ライブで盛り上がるタイプの、軽快でノリのいい曲だからだ。
しかし秀樹さんが選んだのは、アルバムの中の1曲にすぎない、「ランニン」。
あらためて聞いてみると、なるほどこれが「ファー・フロム・オーヴァー」の続編ともいうべき良い曲なのである。
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ライブ・アルバム「JUST RUN '84 HIDEKI」の実質的に2曲目に収められているのだが、ライブの初っ端で気分をアゲるには好適な曲だ。
よくこんな曲を見つけて、セットリストに組み込んだものだと感心せざるを得ない。
この動画は「ランニン」を歌っているわけではないのだが、うまく編集されている。
しかし、いまさらいうのも何だが、歌うまいなあ。
完全に持ち歌レベルで歌いこなしている。
ちなみにこの曲に続く「スタンド・アップ」はリック・スプリングフィールドの曲だが、これもまたシングルヒットではなく、アルバムの中の1曲。
いつかこのブログで書いてみたいと思う。
<この項おわり>