アイル・ビー・シーイング・ユー / シリル・エイメー
シリル・エイメーは、1984年生まれのフランス人ジャズ・ヴォーカリスト。
セロニアス・モンク・インターナショナル・ジャズ・コンペティションやサラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ヴォーカル・コンペティションなど、数々のコンペで受賞し、注目を集めてきた。
現在はニューヨークを拠点に活動中。
初のアルバムリリースは2006年で、以来、コンスタントに作品をリリースし続けており、来日経験もある。
ヴォーカリストとしての足腰がたいへんしっかりしている人なので、何でも歌えちゃうのだが、テクニックをひけらかすことなく、気取らず親しみやすく軽やかな歌声を聞かせるのが、彼女の持ち味。
本作は、NY在住のギタリスト、マイケル・ヴァレアヌ(Michael Valeanu)とのデュオで、この人もフランス人。
シリルはギタリストとの相性がいいのか、かつてはブラジル屈指のギタリストDiego Figueiredoとのデュオもリリースしてる。
こうしたシンプルな編成だと、当然、アレンジの幅も限られるし、コンボのようなダイナミズムは出せない。
だからこそ、なおのこと力量が問われるわけで、聞き手は、繊細な歌い回し、弦の微かな響きにも耳を澄ますことになる。
ついでに、この手の作品は、録音がしょぼいと聞いてられないので、エンジニアの腕も大事。
本作は、これらの条件を軽々とクリアした秀作。
「Bye Bye Blackbird」「Softly, as in a Morning Sunrise」など、スタンダード中心のオーセンティックな作品ながら、実に滋味深い。
セルジュ・ゲンスブールの「La Javanaise」を採り上げているのは、フランスの偉大な先人へのオマージュだろう。
1 Bye Bye Blackbird
2 You Turned the Tables on Me
3 La Javanaise
4 How Deep Is the Ocean
5 Luiza
6 Softly, as in a Morning Sunrise
7 Me Gustas Cuando Callas
8 I'll Be Seeing You
9 It Could Happen to You
10 Bye Bye Blackbird (Alternate Take)
<了>
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